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Re:本性を現した竹中平蔵大臣![増田俊男の時事直言!国会議員号 (2002年10月24日号)] 投稿者 jimmy 日時 2002 年 10 月 25 日 00:04:51:

(回答先: なぜ不良債権処理か ビル・トッテン 投稿者 Ddog 日時 2002 年 10 月 24 日 23:28:08)

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日本でも世界でも、ある人の思想や政策を論じる時、必ず「その人はどういう人?」と聞かれる。今回は竹中平蔵氏の経済政策が主眼であるから、氏が今までの日本と世界の経済にどのようにかかわってきたのかを知れば、大体「竹中氏はどういう人」かが分かる。実は、氏は過去に日本とアメリカの経済を運命付けた重大なアメリカの戦略立案本部に身を置いていたのである。

“Japan as No.1”と言われた1980年から1990年に、アメリカが複数のシンクタンクを動員して、世界のランキング1位から10位を独占していた日本の銀行を叩き落す戦略を立案し、実行し、大成功(日本の銀行は最低格付けになった)したことは周知の事実である。

この戦略の中心は言うまでもなく「BIS規制」(国際銀行の自己資本比率8%の原則)であった。このアメリカのシンクタンクが作り出したBISスタンダードによって日本の銀行の貸出拡大は半ば禁止され、資本効率と一株あたりの利益率を追求していた日本の銀行に「待った」が掛けられたのである。その後、何が日本の銀行に起こったかは説明するまでもない。日本の銀行は相次いでマンハッタンの店じまいをし、世界市場から完全に「撤退」した。

日本の銀行叩き戦略(謀略)のシンクタンク群の中心は、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、なかんずく日本の銀行つぶし戦略本部として生まれたと言ってもいいInstitute for International Economics (在ワシントンのシンクタンク)であった。1991年以降、竹中平蔵氏はハーバード大学とペンシルべニア大学の客員研究員であり、89年にはハーバード大学の准客員教授であった。さらに上記シンクタンクの客員Fellow(仲間)の地位に就いていた。一方同時に竹中氏は、1992年から大蔵省の財政金融研究所の主任研究官であった。日本叩きを目標にしたアメリカのシンクタンクが、立場上日本の大蔵・金融情報を完全に把握していた竹中平蔵氏をいかに珍重したか充分想像される。

さてアメリカの日本叩き戦略は、日本の銀行が衰退し、アメリカの金融機関が世界を席巻したことで終わったわけではない。日本の銀行が1980年代に飛躍出来たのは、バックに世界一の金持ちである日本の国民が存在していたからである。世界の主要先進国の国民預金総額の60%にも及ぶ日本の現金預金が「支え」だったのである。

アメリカの真の目的は、この超大預金を持つ日本の銀行を潰し、バーゲンセールで買い取ることにある。それはただ同然で830兆円を我が物(アメリカのもの)にすることを意味する。アメリカの国民は借金漬けであるから、アメリカには日本のように現金はなく、アメリカ経済を維持するためには常に世界から資金をアメリカに還流しなくてはならない宿命がある。

このことは、クリントン政権時に金融戦略を駆使して世界中から資金をアメリカに一極集中して繁栄を築いたのを見れば分かる。もうそのようなリスクのある政策はやめ、830兆円を持っている日本の銀行を手中に収めるのが、1980年代に立案、実行された戦略の最後の仕上げである。

今回の竹中案を見れば、強引に銀行の国営化を狙っていることが分かる。それは銀行や銀行の株主の意志ではなく、竹中大臣の意志で、アメリカのハゲタカファンドに日本の銀行のバーゲンセールをするためである。アメリカが竹中大臣と竹中案を諸手を挙げて支援するのは「竹中平蔵氏が、ただ同然で830兆円の財布をアメリカに渡そうとしているから」である。

私が言うまでもなく、竹中案の一件ごとが、プラザ合意以降の所期の目的(日本の銀行撃退)を達成し、いよいよ最後の目的(アメリカが日本国民の預金をコントロールする)を達成するためであることは誰にでも分かるはずだ。

●今までの私の報告に追加して「税効果」についての真実をお知らせします。●

昨日亀井静香先生と竹村健一先生にお会いし、竹中大臣の政策について意見交換をさせていただき、私は竹中政策の「基本的間違い」を指摘した。私は竹村先生の言われた言葉に我が意を得たりと膝を叩いた。先生は「増田さん、竹中政策は無茶だよ。ビギナーとプロにハンデ無しでゴルフしろと強制するようなもんだ」と言われた。さすがに名言である。竹村先生のすばらしさは「分かりやすさ」である。私は国会議員の皆様に竹村大先生のお言葉を解説したいと思う。

アメリカのGDPは約1000兆円、日本のGDPは約500兆円。これが両国の経済規模である。アメリカの人口が日本の約2倍だから両国の実体経済力は均衡していると言ってよい。では両国の資本市場にどれだけの資金が参入(投資)されているかというと、(2001年末で)アメリカが約3,000兆円(NY、Nasdaq等の合計)、日本は250兆円(東証その他)である。

両国の経済力は同等なのに自国市場への集金力は(人口調整後で)アメリカ6に対して日本は1である。他人資本が日本の6倍も集中しているアメリカでは当然銀行の自己資本は(銀行の努力ではなく)市場によって6倍に高められる。だから税効果期限はアメリカ1年に対して日本6年が正しい。竹村先生の「増田さんとタイガーウッズが、スクラッチでやれというのは無茶苦茶だ」というのは以上のことを言っているのである。

こんなことは世界中何処の大学の経済学教授にも周知の常識。私が竹中氏を確信犯とするのがご理解いただけたと思う。ただし、小泉氏が確信犯であるかどうかは分からない。

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