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「個人が保有する株式の時価総額は約60兆円。この約60兆円のうち半分の約30兆円が“退蔵株券”−いわゆる“タンス株券”といわれる種類のものです。来年1月に新証券税制がスタートするまでに、間違いなくこの約30兆円の“タンス株券”の一部が売却に回されることになるでしょう。仮に約30兆円のうち10%分が売却−−しかも売り切りという形で−−されてしまったならば、株式マーケットは間違いなくクラッシュすることになる。私としては、売却される株式は10%にとどまらないだろうと予想している。来年の1月までにまさに大変な状況が株式マーケットを襲うことになるだろう」
大手証券会社首脳がこう断言する。
このコメントに登場する“新証券税制”とは、平成15年1月からスタートするキャピタルゲインに対する新たな課税のワク組みのことを指す。具体的には、源泉分離課税が廃止され、申告分離課税に一本化されることになる。
従って投資家は、確定申告を行うことが必要となる。とはいえ、実際に証券売買に伴って確定申告を行うとなると、顧客にかかる負担は非常に大きなものとなる。このため、証券会社が確定申告の一部を代行することになった。
この“一部代行”を行うためのシステムが、「特定口座制度」と称されるものだ。
「ところが、この『特定口座制度』そのものが、すこぶる評判が悪いのです」(中堅証券会社幹部)
それはなぜなのか。
「顧客がこの口座を使う場合、平成4年以前に購入した株券については、そのすべてが平成13年10月1日時点の終値の80%を『みなし取得価格』として価格設定されることになったのです。つまり、13年10月1日以降に株価が値下がりし、含み損に転じている場合でも含み益が生じているとみなされるケースが出てきてしまったのです」(前述の中堅証券会社幹部)
しかもこの「特定口座制度」は、顧客の取引状況によって、細部も含めると100パターン近い処理方法に分かれるというのだ。つまり、あまりにも複雑すぎる制度だといえよう。
「このため、顧客サイドから、『面倒だから、もう株取引から手を引く−』という声が数多く上がるようになってしまったのです」(前述の大手証券会社首脳)
野村証券関係者が言う。
「当社の九州地区のある支店で、優良顧客に対して個別に『特定口座制度』に関する説明を行ったところ、上位20人の優良顧客のうち、半分の約10人が株取引を完全に手仕舞ってしまったそうです。つまり手持ちの株をすべて売り払ってしまった、というのです。その支店では、収益の約8割をその上位20人から稼ぎ出していただけに、まさにパニックです。『もう“資産管理型営業”なんて言ってられない−』というのが社内の声となっています」
新制度が導入される来年1月までは、あとわずか2カ月ちょっとしか残っていないのが実情だ。
「この2カ月間に個人客が大量に手持ちの株を集中して売ってくることはどう考えても必至の情勢といえるでしょう」(前述の大手証券会社首脳)
株式マーケットは、まさにクラッシュの時を迎えようとしている。