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「仮に“竹中案”を実行に移した場合、メガバンク各行は確実に自己資本不足に陥り、一行あたり数千億円から2兆円規模の公的資金の投入が必要になるという。そして、竹中平蔵経財・金融相の説明によれば、公的資金を投入された銀行については、ほぼ例学なく“国有化”されるという。我々−つまり与党サイドとしては、こんな危険な、そして無責任な“実験”に与するわけにはいかない−」
自民党首脳はまさに断定口調でこう言ってみせる。
昨日(22日)、竹中経財・金融相は当初予定していた不良債権処理促進策の中間報告の公表・発表を中止した。むしろ、この場合、中止に追い込まれた、といった方が適切だろう。
中止に追い込まれた最大の要因は、与党−特に自民党サイドが“竹中案”を了承しなかったためだ。
22日夜の記者会見の席上、竹中経財・金融相は、
「(不良債権処理促進策だけではなく)雇用、中小企業対策についても合わせて策定する必要がある−」
と説明し、“竹中チーム”の中間取りまとめは今月末にその策定が予定されている「総合デフレ対策」とセットの形で発表される方向だ。
「山崎拓幹事長、堀内光雄総務会長を筆頭に自民党首脳部は、誰一人として“竹中案”を了承しなかったのが実情だ。このまま何の修正もしないのであれば、“竹中案”は全くのお蔵入りとなるだろう。昨日の段階では麻生太郎政調会長に事態収拾を一任する形でとりあえずの決着が図られたといっていいでしょう−」(自民党首脳)
そもそも自民党内においては、政策立案面で中心的役割を担うのは、改めていうまでもなく、政調会長だ。
「その政調会長が、何も動かないから、こんな事態を招いてしまったのだ」(前述の自民党首脳)
与党・自民党内の竹中経財・金融相に対する批判派、麻生政調会長に飛び火してしまった格好だ。
「こうした事態を受け、麻生政調会長としても動かざるを得ない状況に追い込まれてしまったようだ。不良債権処理促進策の策定を巡っては、今後は麻生政調会長の動向に要注意だ」(自民党有力代議士)
一方、もう1人、その動向を注目すべき人物かいる。“竹中案”にお墨付きを与えた格好となっている小泉純一郎首相だ。
「とはいえ、官邸内部が“竹中支持”で一枚岩になっているのかというと、決してそうではない。むしろ、『竹中氏はやり過ぎだ。首相もそこまでは望んでいない』という声があがりつつあるというのが実情です」(官邸中枢スタッフ)
つまり、“官邸”が、竹中経財・金融担当相にブレーキをかける局面も今後十分にあり得るといえるだろう。
「そもそも『金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム(竹中チーム)』自体が、一枚岩という状況にはほど遠い。金融庁メンバーは言うに及ばず、旧大蔵省出身者の吉田和男京都大学大学院教授を筆頭に、強引に議論を進めてきた竹中氏に批判的な民間メンバーも出てきている。ある意味で、“差し戻し”の格好となってしまった“竹中案”を巡って、竹中チーム自体が空中分解する可能性もある」(竹中チームメンバー)
まさに完全に四面楚歌の状態に追い込まれてしまった感のある竹中経財・金融相だが、果たして事態打開の策はあるのだろうか。今後数日間は、この問題の展開には要注目といえるだろう。