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金融庁の「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム(PT)」で議論してきた不良債権処理の加速策の中間報告案が22日、判明した。決算時に公表する財務諸表に経営者の署名を求めるほか、新たに資本注入を受けた場合の経営陣交代、辞任した経営者への退職金不払い、刑事罰の強化など、ガバナンス(企業統治)や経営責任の明確化を明記した。公的資金注入で国が保有している銀行の優先株(配当順位は高いが議決権のない株)を原則として普通株に転換し、銀行の一時国有化を検討することも盛り込まれた。竹中経済財政・金融相が同日夕、正式に発表する。
中間報告案は、竹中経財・金融相が21日に小泉首相に提示したもので、〈1〉資産査定〈2〉自己資本〈3〉ガバナンスの3本柱だ。ただ、一部項目については、メンバーの間でも賛否があると見られ、PTは各項目を調整したうえ、今月末に最終報告をまとめる。
中間報告案によると、資産査定では、不動産担保の評価を厳格化し、主要行の大口債権に個別引き当てを導入して、金融庁の特別検査も強化する。さらに、同じ企業に融資していながら、銀行によって異なる査定をしているケースがあることから、国が関与して債務者区分を統一する「シェアード・ナショナル・クレジット・プログラム」を実施するとしている。
自己資本に関しては、不良債権処理の過程で支払った税金の戻りを見込んで計上する「繰り延べ税金資産」の上限を自己資本の10%に引き下げる方向だ。その結果、資本不足となる銀行が出てくれば、当面は預金保険法に基づき資本注入するが、金融庁は予防的注入のための新法制定も求めることも盛り込んだ。
過去の資本注入で国が保有している銀行の優先株は、約半数の銘柄で転換可能時期が来ているが、金融庁は現状では転換権を行使していない。転換期が来た優先株を原則、普通株へ転換すれば、株数によっては国が過半数の議決権を握り、銀行が一時国有化される。
銀行の債権のうち不良債権を切り離して別勘定とする「管理会計」を導入する案も検討項目に指摘された。別勘定の不良債権については、一括して整理回収機構(RCC)に売却する案も浮上している模様だ。
ガバナンスでは、背任や違法配当などに対する刑事罰を強化し、資本注入行が健全化計画を達成できない場合に、金融庁が業務改善命令を出して達成を求めることも明記している。
(10月22日14:55)