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住信基礎研究所・主席研究員の伊藤洋一さんは、「円安傾向は続くと見たい」との見通しを示す。「小泉改造内閣発足時には経済改革の方向性が明確になった印象が強かったが、それが株安を惹起したこと、肝心の小泉首相のスタンスが多くの問題に対して、依然として曖昧なことから、日本の政策の先行きへの懸念は依然として強い」
<デフレ政策の期待外れが、株価反落、円安持続の背景へ>
小泉首相がどちらかと言えば重要な政策決定を丸投げにし、重要な問題でも決断しない傾向があることを考慮すれば、「デフレ対策は寄せ集め」という今の市場の予想は、恐らく当たっている、と見る。そうだとすれば、「期待外れ」の可能性が高く、これは「今週後半からの株価反落、円安持続の背景になると思われる」。ちなみに、先週のNY市場の円相場は、長らくドル・円相場のレンジの上限と見られていた125円を上回り、引け値は125円台半ばとなった。
<ブッシュ政権は対日スタンスを大きく変えつつある>
さて、日本政府が発表するデフレ政策以上に市場に影響を与えそうなのは、最近になって円安容認とも受け取れる発言をしているテーラー米財務次官(国際金融担当)の来日だと言う。ブッシュ政権はこれまであからさまな形では、日本政府に注文をつけることを差し控えてきた。しかし、日本経済の混迷が深まるなかで、不良債権処理を巡る竹中チームを米政府高官が支持すると明言するなど、そのスタンスを大きく変えつつある。「米政府が日本の経済問題を安全保障上の問題と見なし始めた時期と重なるが、いずれにせよ市場、特に為替市場はテーラー時間の発言には関心を払おう」
<世界株式は、「行き過ぎた悲観論」から戻りの渦中>
ところで、世界の株式市場は、「行き過ぎた悲観論」からの戻りの渦中にある、と言う。その分だけ、上げ幅は各地市場で大きなものとなっている。「悲観論の修正を促したのは、もっぱら実体経済や投資尺度から見て割安になった株価の水準そのものである」と言う。