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島津製作所(7701)の株価上昇が止まらない。田中耕一氏のノーベル化学賞受賞の発表直前(10月9日)の株価は年初来最安値の261円だったのが、受賞直後から7連騰。10月21日には440円まで上昇した。わずか7営業日で株価は1.7倍に成長したわけだ。なぜこれほど上昇したのか、今後どこまで上昇するのか、ちょっと考えてみたい。
@田中氏のノーベル賞受賞による今期以降の業績押し上げが期待される。
A9月中間期業績の上方修正。
B同社の事業内容が改めて見直され、不当に低かった株価が訂正された。
C「御祝儀相場」で上昇したあと、ちょうちん買いが続いている。
@はあり得る話だ。マスコミ報道によると田中氏が開発に携わったたんぱく質解析装置に関する問い合わせが殺到しているらしい。しかしこの装置の売り上げが業績にどこまで貢献するかは不透明だ。装置1台当りの価格は約1億円とのことだが、03/3期連結予想利益35億円を株価の勢いなみに押し上げるためには相当の台数が販売される必要がある。だとすると、ノーベル賞効果による利益押し上げは限定的なものにとどまろう。
Aについては、10月1日に9月中間決算業績の上方修正が発表されたが、その直後に株価が反応しなかったことを考えると、今回の株価高騰の直接的な理由にはならない。もちろん株価上昇をフォローする材料にはなるだろう。
Bは妥当な理由になり得る。同社は2期連続で赤字決算が続き、他社と比べても株価は確かに安い水準に放置されていた。ノーベル賞発表前の株価水準をみると、精密機器セクターの平均PER27倍に対して同社のPERは20倍にとどまっていた。しかし今回の株価でPERは33倍と大きく跳ね上がった。もともと技術力には定評のある会社であり、株価もようやく正当な評価がされたという説明は確かに筋が通る。ただし今後もこの勢いで株価が上昇するかどうかは、同社に関する詳細な分析が必要だろう。
Cについては、同社の株式は個人投資家と証券会社の自己売買部門を中心に短期利ざや狙いで取引されているとの見方もある。注意を要する点は、同社株の信用売り残が急増していることだ。一般論として、信用売り残が増えると、反対売買による買戻し期待から株価が上昇する可能性が高まるといわれているが、一方で、売り残の増加とは、先行きの株価動向を弱気に考えている投資家が増えていることの表れでもある。
いつの時代にも、高騰した株価には、株価をもっともらしく正当化する説明がなされている、ということだけは頭に入れておく必要があろう。
↓島津の株価。
早速梯子外されて・・・
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=7701.t&d=b