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19日実施された欧州連合(EU)東方拡大の是非を問うアイルランド国民投票は20日夕、開票が終了し、賛成62・89%、反対37・11%で、圧倒的多数が拡大を支持した。この結果、同国は拡大に不可欠なEU機構改革を規定したニース条約を年内に批准する。2004年1月の実現をめざすEU拡大は、障害の一つを乗り越えた。アハーン首相は「国民はEU拡大を力強く支持した」と述べ、勝利宣言を行った。
一方、反対派は「欧州の民主主義にとって、暗黒の日となった」と嘆きの声をあげた。
国民投票では、〈1〉ニース条約批准の是非〈2〉EU統合に絡み、アイルランドの中立政策が左右される場合、国民投票にかけることの是非――などが問われた。アハーン政権は、昨年6月の国民投票でニース条約批准が否決されたことを踏まえ、今回は国民が敏感に反応する中立政策を切り離した。政権はその上で、昨年の国民投票で34%という低投票率が反対派を利した反省から、今回は巨費を投じて賛成キャンペーンを大展開。今回の投票率は49%余に上った。
EUの現加盟15か国中、ニース条約を批准していないのはアイルランドだけ。全加盟国の年内批准を発効条件とする同条約は、アイルランドが再度批准を拒否すれば死文化し、「2004年の拡大」に赤信号がともりかねなかった。アイルランド国民はEU内で同国が孤立してしまうことを避けたと言える。
シュレーダー独首相は20日、ベルリンで声明を出し、「アイルランド国民は、EUに対する責任を果たした。東方拡大の門戸が開かれた」と歓迎した。