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(回答先: ティグリッツ教授の提言「日本経済の処方箋」NHK−BS「米国型資本主義を越えて」 投稿者 スーパー銭湯 日時 2002 年 10 月 20 日 23:58:19)
2002年10月21日
NHK−BSでノーベル経済学賞受賞したコロンビア大学教授のスティグリッツ氏のインタビュー番組があったので見ていました。彼は市場原理主義者たちから見ればまさに天敵であり、市場原理主義者は彼の公開討論申し込みから逃げ回っている。市場原理主義者たちは彼の書いた「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」という本を理解することも出来る知能も学力もない連中なのだろう。
私は平成12年9月19日の日記で「グロ−バル主義は世界支配の手段」と非難した。当時は日本でも彼らの手先の御用学者が市場原理主義こそ資本主義経済の真理であるとテレビでふれまわっていた。今でも市場原理に基づいて銀行を潰せ、企業を潰せと暴れまわっています。昨日の「サンデープロジェクト」を見たら、外資系証券会社の人間が「今不良債権処理をせずに何時やるのか」と言っていた。外資系証券会社にとってみれば、ハゲタカファンドと手を組んでのビジネスチャンスだから当然の主張だ。
スティグリッツ氏のインタビューなどはNHKあたりの放送でしか見られないのだろう。民放では外資系証券会社はテレビ番組スポンサーの大手だ。番組を見損なった人のために要約を書いて見ます。
(インタビューはじめ)
「ストックオプションの危険性について」
「93年頃大統領経済諮問委員会で、会計基準の改革を行っていた時に私は、経営者にストックオプションを与えることは制限すべきだと主張しました。経営者が業績を良く見せかけることは十分予想できたからです。するとウォール街、財務省、シリコンバレーから猛烈な反対が起きました。彼らはストックオプション制度に利害関係があり私たちの主張を潰そうとしました。そしてその結果今日の事態が起きたのです。これはアメリカ型資本主義という名の偽りの資本主義です。偽りの資本主義は極めて大きな破壊力を持つのです。
「会計基準に抜け道あり」
「これまでアメリカは自分たちの会計基準が世界で最も優れていると主張し他の国にこれを押し付けてきました。しかしその主張と現実との間に大きな隔たりがあることが明らかになりました。アメリカの会見基準はきわめて厳格ですが抜け道はいくらでもあります。不正を起こした経営者の中には明らかな詐欺行為もありました。しかし多くの場合会計基準を一字一句守っていました。つまり形の上での規則は守っているものの、会計とはこうあるべきという精神を忘れてしまったために、このような結果を招いてしまったのです。
アメリカ型の経営は明らかに間違っていました。合理性や適正といったまともな感覚を完全に失ってしまっていたのです。経営者の適正な報酬とはどれくらいのものでしょう。日本では経営者の報酬というものが労働者の10倍というケースはほとんどないでしょう。中国においては3倍程度です。しかしアメリカは総ての標準を壊してしまいました。ある経営者は1億ドルの報酬を得ていました。
しかし彼らがどれだけのことをしたというのでしょう。いくら稼いだからに関わらず彼らはその報酬に値すると思っていました。それでもバブルの頃彼らはこう言ったものです。いいじゃないか。経営者が沢山報酬をもらったって、彼らのおかげで株主や社員も儲かっているのだから。経営者と株主と社員との間ではきちんと利益の分配が出来ているんだよと。しかし全くのまやかしでした。
経営者は業績を良く見せかけて多額の報酬を得ていました。嘘の業績発表を信じて株を買った人は大損をしてしまいました。経営者に騙されていたのです。これこそ倫理の欠如です。単に報酬の多い少ないが問題なのではありません。問題は倫理に基づいて経営がなされていないという点なのです。しかし、熱狂に憑かれた90年代のあの時期、理性的判断というものが全く消えうせてしまっていたのです。
私は忘れてはならない二つの原則があると思います。一つは、情報の透明性が非常に重要であるということです。我々が株式市場に信頼が持てるようになるには、経営内容について株主が常に正しい情報を手に入れられるようにしなくてはなりません。ストップオプションを経営者に与えるシステムには、株主を騙すような仕組みが含まれています。ストックオプションが経営者あたえられるとき、お金がどこから来るのでしょうか。
株主は本来与えられるべき利益を奪われているのです。しかし株主は何が起きているか知ることが出来ませんでした。したがってまず重要なことは情報の透明性を高めることです。私はこれを企業統治の基本レッスンとよんでいます。二番目は利害の不一致とよんでいる事態にどう対処するかです。これは経営者が取引先に便宜を図ってその見返りに賄賂を受け取ることを指します。この場合会社の利害と経営者の利害は一致しません。
こうした事態が起きないよう仕組みを作っておかねばならないのです。一連の不正経理問題でこの利害の不一致の実態が明らかになりました。企業の株式発行を請け負った証券会社は、手数料を稼がせてもらう見返りに、その企業のトップに値上がりが確実な未公開株をこっそり回します。額面の価格で株を購入した経営者は上場後に巨額の利益を手にしていました。こうした賄賂は広く横行していたのです。情報の透明性と利害の調整、両方とも優れた企業統治の条件です。問題の本質はそれが欠けていたと言う事です。」
(インタビュー続く)
まさにアメリカの金融業界と企業経営者はまさに詐欺師集団だ。クリントン政権は彼ら金融業者と手を組んで会計規則を変更し、政界と財界とが手を組んで、株式投資家を合法的に騙し続けてきたのだ。ストックオプション制度を悪用して、粉飾決算をして株価を吊り上げ、巨額の利益を手にして売り抜けた。彼らはとてつもなく頭のいい天才的な詐欺師だ。マスコミを利用してIT株ネット株ブームを煽り、新規上場をしては、証券会社とその利益を山分けした。これらは日本でも行われていた。
当時「IT革命」と称して囃した学者の中に、竹中金融大臣も含まれていた。テレビもIT革命を過大に煽り、ベンチャー企業家を英雄のように番組で囃した。田原総一郎氏や榊原英資氏など昨日の「サンデープロジェクトで「不良債権を処理しろ」と主張している同じ連中がやっている。彼らはハゲタカ国際金融資本と外資系証券会社ぐるみの詐欺師集団だ。スティグリッツ教授は彼らの不正を告発しているのだが、IMF、ウォール街、アメリカ財務省、シリコンバレーの連中は逃げ回っている。
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu40.htm