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「先週末段階でダイエーの株価は、何とか160円台の回復を果たした。まさに官民挙げての経営再建計画の強化策の提示に、マーケットが一定の評価を下したということだろう。とはいえ、株価の戻り方はわれわれの予想に反して非常にスローテンポだ。この株価水準が定着するのかどうか、今後しばらくは警戒が必要だろう−」
ダイエーのメーンバンク幹部がこう言ってみせる。
先週末、経営再建中のダイエーを巡る動きが極めてあわただしくなった。
まず17日(木曜日)、ダイエーの主力取引銀行のUFJ銀行、三井住友銀行、みずほコーポレート銀行の民間銀行三行と、政府系金融機関の日本政策投資銀行は、ダイエーの経営再建計画を強化することを目的に総額600億円の企業再建ファンドを設立することで合意し、これを発表した。
「そしてその翌日(18日)には、新生銀行によるダイエーに対する融資返済要請に関して、主力取引銀行3行がこれを肩代わりすることで最終合意に達したのです。まさに矢継ぎ早に支援策の強化が決まっていったと言っていいでしょう」(大手都銀幹部) とはいえ、こうした一連の動きは何も偶然の産物ではない。
「その全てが、18日に予定されていたダイエーの8月中間決算発表に合わせた動きだったのです。もし仮に再建計画に対するさらなる強化策が何もまとまらないまま18日を迎えてしまったなら、ダイエーの株価はクラッシュしていたことは確実です。それというのも、18日の決算発表によって、ダイエーの再建計画が当初の予定通りに進んでいないことが明らかになってしまうからです」(大手都銀幹部)
そのダイエーの8月中間決算だが、売上高などの営業収益(単体)は8124億円(前年同期比7.1%減)となったものの、経常利益については91億円と5割増を記録したのである。
「とはいえ、再建計画に設定された収益目標−経常利益110億円には届かなかったのです。しかも、本業でのもうけを示すダイエー単体での営業利益については、目標値(160億円)を33%も下回る107億円にとどまるなど、まさに惨澹たる結果に終わってしまったのです」(大手都銀役員)
ダイエーの高木邦男社長は、
「通期ベースで、(年間目標を)キャッチアップしたい−」
と依然として強気のスタンスを崩していない。
「こうした状況では、目標の達成は非常に厳しいだろう。特に本業−つまり小売り部門が不振ということが、非常に問題だ。このままではダイエーの再建計画自体が、意味を持たなくなってしまう。“ダイエー危機”は去ったとは言えないだろう」(前述の大手都銀役員)
そしてこう続ける。
「そもそも、“財務屋”に過ぎない高木社長が、営業の指揮を執るということ自体、まさしく異常だ。高木社長が自信を持って進めてきた『カテゴリー・バリュー(CVC)』戦略時代が破綻をきたしつつある。ダイエーの店頭に実際に行って、CVC(自社ブランドの専門店)を見てきたが、まさに惨憺たるありさまだ。なぜこんな状況で、高木社長は目標をクリアする自信が出てくるのか、全く不思議だ」(前述同)
依然としてダイエーについては、要警戒と言っておこう。