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金融庁は、公的資金の注入を受けながら中小企業への「貸し渋り」「貸し剥がし」を続ける銀行に対し厳重な監視を強める。18日、UFJホールディングスとあさひ銀行に対し業務改善命令を出したのはその方向性を明確にしたもの。今月中には一般からの情報を受けつけるホットラインを庁内に設置、さらに厳しく目を光らす。
中小企業向け融資が経営健全化計画に盛り込んだ目標を大幅に下回ったとして金融庁は18日、UFJとあさひ銀行に対し、目標を達成するための新たな計画の提出を求める業務改善命令(行政処分)を出した。いわゆる「貸し渋り」での業務改善命令は、昨年10月に新生銀行に対して発動されたが、5大金融グループでは初めて。
金融早期健全化法に基づく公的資金注入を受けた銀行は、中小企業向け貸出残高を増加させることが義務づけられているが、大手銀行のうち5行が14年3月期の中小企業向け貸し出しの増額目標を達成できなかった。UFJは目標が前年実績より500億円増だったのに、逆に2兆5247億円も減らし、あさひ銀も目標100億円増に対し1兆4354億円減と減少幅が突出していた。
金融庁は「達成に向けた努力が不十分」として改善命令に踏み切った。これに対し両行は、景気悪化による資金需要の低迷、大手企業系列の中小企業の返済増加などと説明しているが、同日、「処分を真摯(しんし)に受け止める」とコメントした。
今回の処分は、銀行が自己資本比率の保全のために、とくに中小企業に対して「貸し渋り」や、強引に融資を回収する「貸し剥がし」を強めているとの根強い批判に配慮したもの。
竹中平蔵経済財政・金融相は、不良債権処理加速の具体策を詰める中で、中小企業に配慮して貸し渋りなどを監視する姿勢を表明。今月中にも一般企業から直接、金融機関の融資態度に関する苦情などの情報などを受け付ける「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」を金融庁内に設置する。
悪質なケースやたびたび名前の挙がる銀行に対しては、さらに業務改善命令や緊急検査を行う。公的資金の注入を受けた大手行が、さらなる厳しい監視を受けるのは必至だ。