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☆最近こういう外資(米)脅威論が巷に氾濫してるが、もう日本のジョーシキ?それとも抵抗勢力による世論操作ってこともあるかな
【経済気象台】
デウス・エクス・マッキナ
まるで中国古代の春秋時代を彷彿(ほうふつ)とさせる。現代の覇王は「イラク征伐」を声高に唱え、欧亜の列強は右顧左眄(うこさべん)し、この覇権国に正面切って対抗する戦略はなさそうである。まして経済まで三流国となった我が国には、王道にあこがれた孔子の魯国のように、覇者に追随する弱小国としてしか選択の余地はない。
それでも内憂を抱える政治家は外に活路を開くという世の習いに従うかのように、我が小泉首相は隣の無法国家とトップ会談を挙行した。「悪の枢軸」として名指しされた「首領」の思惑とも一致して、外交としては取りあえず成功を収めた。
とはいえ、国際政治の世界は権謀術数うごめくエンドレスゲームであり、単発的な外交戦術の成功の後には、更に高度な各国からの反攻が待ち受けている。不手際が目立つ外交に加え、政治・軍事能力に疑問がある国が国際政治の表舞台に立つことで、新たな外患をもたらす危うさを禁じえない。
加えて内憂では経済危機が深刻化している。「公家の乱心」とも見まがう日銀の唐突な株式買い上げ発表は起死回生を狙ったものといえなくもないが、その後直ちにフォローすべき政府の金融・経済対策も出ず、市場の反応は冷めたい。ペイオフ対策として突如出された新種の決済性預金を始め、奇策が相次ぐのはもはや知恵のなさというより、危機の顕在化である。
ギリシャ悲劇では、主人公が絶望の淵(ふち)に至った時、神が出現し、すべてハッピーエンドに終わる。これを「機械仕掛けの神」(デウス・エクス・マッキナ)というが、我が国の政・官・財の中枢は、先送りの果てに奇跡の回天を待っているかのように見える。
神は死んで久しいが、政治家にはそれに代わる気概がなく、官僚にはその意思がない。このままでは、インカ伝説の神ビラクチャのごとく、神は白い肌を持ち、海の向こうから姿を現すということになりかねない。(匡廬)