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「今月２７日の衆参統一補選の投票日までは、いうところの“大型破綻（はたん）”はまず起こらないだろう。もし“そんなこと”が起きたら、小泉内閣は沈没してしまうことになる。まさに自殺行為だ。ある意味での“見えざる力”が働き、“大型破綻”は２７日以降に先送りされるのは確実だ」
財務省幹部がこう断言してみせる。
１５日午前、衆院５補選の告示が行われ、各選挙区で立候補の届け出が行われる。去る１０日には参院の千葉、鳥取補選も告示されており、計７つの補選はともに２７日に投開票される。
「７補選のうち４補選が、秘書給与疑惑に代表される『政治とカネ』にからんだ議員辞職に伴うもので、そうした意味で異常事態といえる。とはいえこの『政治とカネ』というテーマが、争点になっているとは言いがたい−」
自民党の有力代議士がこう分析してみせる。そしてこう続ける。
「むしろ、争点は経済問題になるだろう。特に不良債権処理問題に代表される金融問題が争点として浮上してくる可能性が高い」
実を言うと今回の統一補選で、与党サイド−その実態は自民党−は、意外に苦戦を強いられているのが実情だ。
「異常な状況を受けての補選だけに、候補者選びのゴタゴタから保守分裂となっている選挙区もいくつかある。それだけに自民党サイドに出遅れ感があることも否定できないだろう。しかも現下の経済情勢は、与党サイドにとって完全に逆風になっていることは間違いない−」（前述の自民党有力代議士）
実は、筆者は告示日に先立って現地入りするなどして、各選挙区事情をつぶさに検証した。その結果得た選挙予想は、自民党の“４勝３敗”というものだ。
大手日刊紙政治部幹部が言う。
「須田さんの選挙予想は、いささか自民党に甘い。われわれは自民党の“２勝５敗”とみている−」
もともとの議席は、与党５、野党２。従って与党サイドにとっての勝敗ラインは、厳密には“５勝２敗”ということになるだろう。
「いずれにしても今回の統一補選が自民党にとって厳しい状況であることは間違いない。こんな状況下で“大型破綻”が発生したら、自民党が選挙で大敗することは必至だ−」（前述の自民党有力代議士）
官邸中枢スタッフが言う。
「残念なことに、そうした政治的感覚が竹中平蔵金融・経財担当相には全く欠けている。とにかく２７日までは余計な取材は受けずに黙っていてほしい。２７日までにもし“大型破綻”があるとしたら、“竹中発”となることはまず間違いない」
いずれにしても近い将来、何らかの形で、“大型破綻”が発生することは必至の情勢といえるだろう。
「最も怖いのは、追い詰められた銀行サイドがイチかバチかで２７日前に“大型破綻”を仕掛けてくることだ」（金融庁幹部）
いずれにしても、今回の“統一補選”の結果が小泉内閣−そして小泉純一郎首相が進めようとする経済政策の信認投票となることは間違いないだろう。
「その結果次第では一気に政局となることも…」（自民党有力代議士）
統一補選の結果には要注目だ。

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