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(回答先: 前近代とは、江戸時代のことですね。 投稿者 hou 日時 2002 年 10 月 12 日 22:05:24)
houさん、レスありがとうございます。
利息取得に関する貴重な情報ありがとうございます。
ご紹介いただいた「資本主義は江戸時代に生まれた」は、話題になった本と記憶していますが未読です。
お利口な田沼意次らしい策ですね。
田沼時代の幕府貸付金が誰に貸し付けていたかは問題になりますが、上野の東照宮や寛永寺の修復に充当したというのであれば、ある種の冥加金や上納金ではないかという感じがします。
御用商人(や諸藩?)に上納金を求めるのではなく貸付利息でその代わりを果たさせると同時に、通貨の供給を拡大して商業活動を活発化させるというなかなか巧妙な政策です。
統治者(幕府)は、御用商人は冥加金も徴収していたくらいですから、一般商人などに貸し付けて利息をとるわけではないという考えから、そのような策を採ったのかもしれません。
目が見えない人たちの生業としてのみ金貸しを認めた幕府の政策は、なかなか優れたものだと思っています。(特権階級の目が見えない人たちになりますが...)
江戸期における商品作物の増加や米市場の確立などを基礎とした商業活動の隆盛から、江戸期を資本主義体制の源流と捉える流れがあることは存じています。
しかし、金納も増加傾向にあったとはいえ、年貢米を徴税の一大基礎としている国家社会を資本主義と捉えることはできないと判断しています。
資本主義とまで言わず貨幣経済でも、租税が金納になることが要諦です。
さらに、資本主義は、外部国家(共同体)に財を輸出して利益を上げる構造を持っていない経済社会には定義できないと考えていますから、限定的な国際交易に終始していた江戸期を資本主義の源流とは言えないと思っています。
江戸期が資本主義の源流であれば、税が金納で株式会社もあったイスラム勃興期のアラブは資本主義そのものと言えます。