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ルークオイルHP
http://www.lukoil.com/
ロシア最大の石油企業、ルークオイルが明らかにした政府保有の同社株(五・九%分)の放出計画が市場関係者に波紋を投げかけている。株式は国際預託証券(GDR)として七月三十一日にロンドン証券取引所に上場する見通し。米企業の会計スキャンダルで世界の株式市場が激震に見舞われるなか、国際市場が新規発行を受け入れるかが注目されている。
世界の株式市場の動揺を横目に、ロシアの市場は今のところ比較的安定した動きを続けている。代表的な株価指数であるRTC指数は今年最高値の四二五から一三%程度下げているものの、年初と比べると依然四割以上高い水準にある。
最近の下げも企業自体の理由というより、相場急騰後の反動と原油価格の上げ一服が原因。四年におよぶ経済成長が株式市場全体に一定の安心感をもたらしている。
ルークオイル自身も最近、利益重視のリストラ計画を発表し、国内販売より採算の良い輸出比率の拡大を打ち出した。PER(株価収益率)は五倍以下なので、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善により世界的な逆風下でも投資家から評価されるとの計算があるようだ。
ただ市場関係者の間では新株売却は強気過ぎるとの見方も多い。ロシア企業の株式は流動性が乏しくボラティリティーが高い。危機の際は企業のファンダメンタルズにかかわらず国際投資家から敬遠されやすい。
第二の石油企業、ユコスは今秋に予定していたニューヨーク証券取引所への原株上場について、時期をあいまいにし始めた。シブネフチは大株主の持ち株比率を七五%以下に下げるため六―七%の株式を市場に出すとみられてきたが、五月に一・二六%を売却して以降は新たな動きがない。
TNK(チュメニ石油)は過年度の会計処理のミスでユーロ債の発行を延期したところ条件が悪化し、改めて発行するメドが立たなくなった。それだけにルークオイルの政府保有株放出はロシア企業への市場の信頼度を測る試金石となりそうだ。
(モスクワ=栢俊彦)