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竹中−木村“劇薬コンビ”は近く解消?〜インフレターゲット巡り、真っ向対立(ZAKZAK 2002/10/11) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 10 月 11 日 17:07:05:

株価を大失速させる平蔵・木村の劇薬コンビは早晩解消される−との観測が金融界に広がる。「その火種は早くもくすぶり始めている」(大手銀行幹部)というから、穏やかではない。不良債権処理の強硬派で鳴らす2人の間に一見、不安材料はなさそうにみえる。だが、大バトルを予感させる意外な“落とし穴”が隠れているという。
不良債権問題に限ってみれば、竹中平蔵金融・経済財政担当相(51)と、金融庁プロジェクトチームのメンバーで金融コンサルタント会社社長の木村剛氏(40)は息のあったところをみせている。
竹中氏は大手の銀行や企業について「大きいからといって、潰(つぶ)さないことはない」とハードランディング宣言を行う。
“危ない企業リスト”の草分け的な「30社リスト」を作った木村氏は「不良債権問題は大手30社の問題」が持論だ。
30社を早く処理し、その結果、資本過小に陥った大手銀に「公的資金の再注入を断行する」ことを求めている。
柳沢伯夫前金融担当相時代は「大き過ぎて潰せない」と問題を先送りしてきたが、竹中・木村の劇薬コンビは180度方向転換。金融、産業界を震え上がらせている。
ところが、これがデフレ対策となると2人の関係は一変してしまう。
今月6日のことだ。一部全国紙が「竹中平蔵経済財政・金融担当相が3日の速水優日銀総裁との会談で、インフレターゲット(目標)制度の導入を求めた」と報じた。
これこそが、「まさにコンビ解消の火種」(大手銀幹部)という。
インフレターゲットとは、日銀が市中に金をたくさん供給することで、ある程度のインフレ誘導をすること。デフレ脱却策として、これまでも浮かんでは消え、消えては浮かんできた政策だ。
竹中氏は、デフレ克服のためにインフレターゲットを導入すべきという積極論者である。
一方、インフレターゲットの導入に抵抗する日銀のOBでもある木村氏は、知る人ぞ知るアンチ・インフレターゲット論者。「インフレターゲットに真っ向から反対し、導入論者を激しく非難している」(同)
木村氏は新著『日本資本主義の哲学−ニッポン・スタンダード』(PHP刊)のなかで、インフレターゲット論は「経済評論にすぎない」と切り捨てている。
その根拠は2つ。1つは、他国で採用されたインフレターゲットは、高いインフレ率を下げるため政治的に設定したもので、わが国のようにデフレをインフレにする目的ではないということ。
もう1つは、日銀はインフレを起こすことはできるが、インフレをコントロールできない。つまりほどよいインフレ率を自由自在にコントロールできないということ。
後者については、「簡便な操作手段で(ほどよいインフレ率を)コントロールできるのならば、これは経済学上の一大発明である。ノーベル経済学賞ものだ」と一刀両断している。
インフレターゲット積極論者の竹中氏vs徹底して嫌う木村氏。
真っ向から激突した場合、どちらに“軍配”が上がるのか。外資系エコノミストは指摘する。
「インフレターゲットについては、木村氏のほうが正論。英国やニュージーランドが導入したのは物価を抑える手段であって、日本のように消費や設備投資を刺激して物価を上げるために採用した国はない。処方箋(せん)によって物価の高騰を調整できた国もほとんどないのも事実だ」
「不良債権処理の加速のためには、大銀行や大企業を潰すことも厭(いと)わない」という点では、平蔵・木村の劇薬コンビは一致する。
2人の方針に乗る形で、金融庁に加えて、日銀も金融支援を受けている不振企業約30社の再建計画を重大監視する。
日銀は、不良債権処理の過程で銀行の“財布”がスカスカになった場合、“最後の貸し手”として銀行に無担保融資(日銀特融)を実施する方針も明らかにしている。
平蔵・木村コンビに日銀という強力な助っ人も加わり、不良債権処理は着々と加速態勢に入る。
それをヒシヒシと感じる経済界では、処理のターゲットになりそうな大手企業をピックアップした「51社リスト」が脚光を浴びている。
ただ、これも不良債権処理での話で、同時にデフレを助長する。「車の両輪」にたとえられるデフレ対策では、インフレターゲットで真っ向から対立しているのだ。
かねてから導入を提案していた竹中氏は、いまさらインフレターゲットを撤回できない。木村氏も持論の反インフレターゲット論を引っ込めるつもりは、毛頭ない。
不良債権処理の加速とデフレ対策の両輪に絡み、インフレターゲットは確かに火種になりそう。
不良債権処理の加速と、公的資金注入をできれば回避したい金融界からは「平蔵・木村コンビは解消。金融庁プロジェクトチームも空中分解」(大手銀幹部)と期待半分の声が挙がっている。
ハードランディングで過剰債務の問題企業がクラッシュ・退場する前に、平蔵・木村の劇薬コンビがクラッシュする?

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