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「議論・雑談3」に書き込んだ内容の使い回しですがご容赦を...(「論議・雑談3」ボードにもお立ち寄りください)
今週号の『ニューズウィーク日本版』は、竹中大臣のインタビュー記事で話題になったが、あれはほとんど価値のない記事と言ってよく、“日本特集”・「イラク問題」・「アフガニスタン問題」の記事に重要情報が満載されている。
“日本特集”は、「竹中プロジェクト」や有事法制問題とダブらせながら読むと、近未来の日本が見えてくる。
「対イラク査察」についても、98年の査察でスパイを潜り込ませていたことを書いているだけではなく、大統領宮殿の査察目的がフセイン大統領の居場所や逃走経路を知るためのものであったかも、ということを書いている。
また、別の記事では、CIAとブッシュ政権強硬派の「イラク観」をめぐる対立も書かれている。CIAはイラクの脅威は差し迫ったものではないという立場である。
(それがCIAのどういう思いを反映した報告であるかを推察するのが面白いと思われる)
先週号は店頭ではもう売っていないと思われるので、米国の中東政策の今後を考える上でヒントになる記事を紹介する。
『ニューズウィーク日本版10・9』のP.28から始まる「衰弱死する中東経済」という記事で、筆者は、ワシントンの世界開発センターの客員ジャーナリストと称するスティーブン・グレーン氏である。
記事は、中東経済の根源的問題を、「その問題とは、慢性的な資本の流動性不足だ。それが、失業の増加と経済の停滞を引き起こしている。単に資金が不足しているのではない。活発な地下経済からカネを吸い上げて、脆弱な「表経済」へ供給する近代的な金融システムが存在しないのだ。<中略>アラブの金融機関があまりにも原始的で、政府も機能不全状態にあるからだ。銀行は融資に消極的で、株式市場でもほとんど取り引きが行われていない。」と概括し、「現在の中東諸国の課題は、金融システムをよみがえらせ、眠っている厖大な資本を流動化させることだ。」と提起し、「問題解決のカギは、資金の効率的な再配分にある。アメリカがアラブ世界の問題を本気で解決しようと思うのなら、イスラエルやエジプト、ヨルダンに毎年ばらまいている巨額の援助金の使途を、金融システムの近代化に限定すればいい。それは厖大な資本を流動化させるための呼び水となるだろう。無能で抑圧的な政権への援助を中止するのも一つの手だ。」と結論している。
要は、中東全域で欧米型近代金融制度を確立させなければならないというものであり、利息取得を禁止するイスラムとは相容れない銀行制度を米国が率先して持ち込むべきというものである。
“翻訳”すれば、中東には厖大な通貨的な“富”があるにも関わらず、それを「信用創造」機能という梃子を使って利息で吸い上げられるシステムが中東にないのは問題だから、なんとかして導入しろということになる。
(もちろん利息を通じて通貨的“富”を吸い上げる主体は、米英を中心とした国際金融家である)
前々から書いているが、これこそが「イラク攻撃」の目的であり、「対イスラム戦争」の目的である。