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厚生労働省は10日、失業者の増加で財政が悪化している雇用保険制度の見直し案を労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)に提示した。失業手当の上限(最高1万608円)を最大3割引き下げることや給付期間の短縮などの給付抑制策を打ち出した。同省は03年度で2000億円の負担軽減が可能とみており、来年の通常国会に関連法案を提出、6月からの施行を目指す。
現行の失業手当(日額)は離職前賃金の6〜8割が支給される。高額受給者の給付率は6割だが、歯止めをかけるため、30歳未満8676円▽30〜44歳9642円▽45〜59歳1万608円▽60〜64歳9640円の上限が設けられている。
見直し案では、この上限を(1)60歳未満7310円(2)60歳以上7011円の2区分にして引き下げ、給付率も6割から5割に下げる。また、自己都合で退職した正社員の支給期間をパート労働者と同様に短縮するほか、リストラなどで失職した35〜44歳(10年以上勤務)の正社員に対する給付期間を30日間延長する。
同省の試算では、見直し案が実施された場合、50歳(月給47万9000円)で離職した人の支給総額は(1)倒産・解雇で241万2000円(現行制度比74万7000円減)(2)自己都合の退職で109万7000円(同62万6000円減)となる。給付額の減額には、労働組合などの反発も予想される。
このほか、再就職を促すための「就業促進手当」創設や、5年以上の保険加入者がパソコン教室などに通った際に支給している教育訓練給付の給付率の8割から4割への引き下げなどが盛り込まれた。 【因幡健悦】(毎日新聞)