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日銀が竹中平蔵経済財政・金融担当相に対する警戒感を強めている。不良債権処理の加速によって、デフレ不況が深刻化するのを防ぐため、竹中氏が日銀に「インフレターゲット(インフレ目標)制度」の導入を要求しているためだ。日銀サイドは「中央銀行としての信用性、独立性が損なわれる」と、徹底抗戦の構えだが、一橋大の先輩後輩の関係にある速水優日銀総裁と竹中氏が結託しているフシもあり、一抹の不安も。市場関係者も注目する日銀の金融政策決定会合は10日から2日間の日程で開かれる。
竹中氏が要求しているインフレ目標は、消費者物価指数で年率2−3%の上昇を目標に設定。あらゆる手段を動員して目標達成を目指すというもの。政府と日銀による政策協定で、政府側はデフレ対策に日銀を取り込もうと懸命だ。
「与党内からデフレ対策として補正予算を編成するよう求める声が強まっている。しかし、小泉政権としては、『国債発行30兆円枠』の公約をほごにし、構造改革の後退との批判を招く大規模補正は何としても避けたい。そのためにも、日銀の強力が必要」(財務省筋)というのが、政府サイドの思惑である。
一方、日銀内には反対論が根強い上、政府への反発も強い。
「そもそも、インフレ目標は物価安定を目的としたのもで、インフレを引き起こそうという目的で導入された前例はない。いったん、導入されると、日銀への要求に歯止めがかからなくなり、逆にインフレを制御できなくなる懸念もある」(日銀筋)というのが、その言い分だ。
しかも、仮に導入されても、それを実現する有効な手段が見当たらないという実情もある。
日銀では平成11年2月に最初にゼロ金利を導入して以降、金融緩和策を駆使し、市場に資金を注ぎ込み続けてきた。ところが、消費者物価指数(東京都区部)は今年9月で36カ月連続で前年同月を下回り、デフレは加速するばかり。
「日銀が不動産や株をどんどん買えば、値上がり期待から、インフレが実現するかもしれないが、そんなことをすれば歴史に汚点を残すことになる」(同)
日銀では徹底抗戦の構えを崩していないが、一抹の不安も抱いている。肝心の速水総裁が何を考えているか、よくわからないのだ。
「最近の速水総裁と竹中氏の急接近ぶりをみると、速水総裁が暴走し独断でインフレ目標に踏み切る可能性は否定できない。2人は、銀行への公的資金投入問題で共闘し、消極論者の柳沢伯夫前金融担当相に対抗。さらに、速水総裁は、銀行が保有する株式の買い取り方針を打ち出し、『金融危機対応』へと金融政策のカジをきった。その上で、『次は不良処理策で政府が動く番だ』と迫り、小泉首相が柳沢氏を更迭し、竹中氏が金融担当相を兼務するという流れを作り出した」(日銀関係者)
果たして竹中氏の“爺転がし”が功を奏するのか。結果は11日に明らかになる。