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ブッシュ政権の対日戦略
――狙いは日本のイギリス化かサイパン化
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4月上旬、一つの雑誌記事のコピーが政治家やジャーナリストの間を駆けめぐった。「米国が突く日本『裏社会』経済――不良債権『蟻地獄』で大統領に報告」(『選択』2002年4月号)だ。その要旨は――
(1)鈴木宗男「潰し」の背後で「巨大な『見えざる手』が働いていた可能性」あり。「そのヒントになる英文ペーパーのタイトルは『暴力団への対処の仕方――組織犯罪に汚染された市場でのビジネスリスクとコストを最小限にするテクニック』」。
(2)「日本の組織暴力団に関する綿密な調査に基づき、ペーパーも不良債権処理の困難さの分析にかなりの紙数を割いている。国務省、財務省、国防総省、連邦捜査局(FBI)、中央情報局(CIA)など主要機関が競うように日本の裏社会を調べ上げた」「ヤクザと縁の深い有力政治家のリストもある。いずれも日本の政治を動かす『大物』で、愕然とさせられる。日ごろハト派でクリーンなイメージの有力派閥リーダーが実は裏社会とつながりの深い秘書を通じて組織暴力団のトップと会ったり、暴力団の有力資金源である芸能プロダクションから融資を……」。
(3)「ジャパン・プログレムの元凶は裏社会にあり、彼らこそ米国の安全保障を阻害するものだ」。
(4)「米国は本気だ。そうしたプレッシャーが陰に陽に永田町に作用し始めた。ムネオ疑惑と野中広務元幹事長の弱体化、加藤紘一元幹事長の離党の三つを結ぶ交点に、裏社会と『北朝鮮』への締めつけが浮かんでこないだろうか」。
『選択』4月号の記事を読んだ直後、旧知の新聞記者から「X氏を知っていますね。日米関係について重要な情報を聞くことができると思う。一度会うことを薦めます」との電話が入った。
X氏は高い知性を持つ70代の紳士。社会的地位も高く高潔な人格の持ち主である。米国の対日工作の中心メンバーとも日常的な接触があるようだ。X氏が語った米国の対日戦略の要点を紹介する。
(1)「ブッシュ政権の対日政策はクリントン政権時代とは違う。アジア政策とくに対北朝鮮政策の大転換に伴い対日政策も変わった。最大のポイントは、裏社会駆逐と日本政界の北朝鮮、ロシア、中国、イラク、イランとの人脈の一掃にある。これから大粛正を実行する」。
(2)「経済面では日本をイギリス化する。産業の半分はすでに手に入れた。産業すべてを押さえるにはあまり時間はかからない。次が農水産業。食肉市場は米国の食肉産業の支配下に置く。さらに建設業と流通業。これももうすぐ米国が押さえる。最後が金融だが、半分は握った。あとは小泉首相が郵政3事業を民営化し、国有銀行を民営化するのを待って、すべてを手に入れる。日本がイギリスと同じようにアメリカの経済的支配下に入るのは時間の問題だ」。
この点について私は、米国の真の狙いは日本のイギリス化ではなくサイパン化ではないか、と思っている。日本国民は選挙権を持たないアメリカ国民になる。イギリスよりはるかに〃独立度〃の低い国になるだろう――これが私の見方である。
(3)「米国は日本社会の根本的な改造に取りかかる。米国は戦後の日本を平等な非階級社会にするため努力した。特権階級、上層階級、下層階級の差別をなくすため積極的に平等化を推進し、出身階層にかかわらず有能な人物が指導者になるのを応援してきた。だが、これには行き過ぎがあった。この結果、日本の政治・経済・社会で裏社会の影響力が巨大化するに至った。これを是正する」。
(4)「以上の米国の四大戦略(1.裏組織駆逐、2.日本の政官財界の北朝鮮、ロシア、中国、イラク、イラン人脈の一掃、3.日本経済のイギリス化〈私流に言えばサイパン化〉、4.日本社会の行き過ぎた平等化の是正)の推進にとって小泉内閣はベストの政権。小泉構造改革は『日本のイギリス化』のための日米共同戦略。小泉首相は歴代首相のなかで最も親米的で、最高の首相だ」。
X氏は最後に「以上は日本国内で活動する情報機関関係者の指針だと考えてもらってもよい。必ず実行されるだろう」と付け加えた。
【今回はX氏の話の報告のみにとどめる。私の意見は次に譲る。大切なことは、日本政府は米国政府の従属機関になってはならない、ということだ。「日本国民の、日本国民による、日本国民のための政治」を実現しなければならない】
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0355.HTML