現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
東京 10月8日(ブルームバーグ):小泉純一郎首相は8日昼すぎ、不良債権処理の加速に伴う雇用・中小企業対策などのセーフティーネットに必要な財源のために2002年度補正予算編成を検討する考えを表明した。首相はこれまで公共事業追加などによる景気刺激のための補正編成を一貫して否定してきたが、不良債権処理に伴う痛みの緩和に補正予算も辞さない姿勢に転換した。
首相は、官邸で記者団が、セーフティーネットのために補正予算を編成するのかと質問したのに対し、「どういう案ができるのか見てから判断するしかない」と述べ、内容次第で編成に踏み切る考えを明らかにした。
また、補正予算の財源は国債発行になるのか、との質問には「それはまだ聞いていません」と述べるとともに、今後の国債発行30兆円枠については「30 兆円のなかでできるかどうかもこれからの話」と語り、場合によっては枠の突破も検討課題になるとの認識を示した。
SG山一アセットマネジメントの吉野晶雄・投資調査部長は、補正予算について「出さざるを得ないだろう。規模としては2兆円止まりぐらいで」と指摘、国債30兆円枠という「シンボリックな公約もあるので、今後はどこにつぎ込むかが焦点になる」と述べ、限られた額をどう効果的に支出するかに注目している。
閣僚からも柔軟発言
補正予算をめぐっては、福田康夫官房長官が7日の段階で、「将来は全体の整合性のなかで対応していく」と柔軟な姿勢を示した。竹中平蔵経済財政・金融担当相も8日の記者会見で、7日に経済財政諮問会議で示したデフレ対策7項目と補正予算との関連について、「何をやるべきか中身とシナリオをつくることが大事」と指摘、「予算の枠組みはそのうえで出てくること」と述べ、検討結果次第で補正予算を編成することにも含みを残した。
デフレ対策の具体的な内容は、1)先行減税、2)一層の金融緩和、3)証券税制と土地税制の改正、4)雇用対策としてのセーフティーネット整備、5)中小企業向け金融の制度整備、6)産業調整を進めるなかでの企業再生支援策、7)構造改革特区の推進−−の7分野。
一方、首相は記者団に対し、構造改革特区に関して8日午前の閣僚懇談会で大島理森農水相、遠山敦子文部科学相、坂口力厚生労働相に対し、「役人にごまかされないよう」指示したことを認め、その真意について「一番抵抗が強いところを言った。できない、無理だ、と(言うのは)承知(している)。それをやらせるのが特区」と述べ、特区実現に政治的指導力の発揮を求めたことを明らかにした。