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竹中・木村ショックで、メガバンクに激震が走っている。バブル崩壊後の最安値を更新した7日の株価暴落で、大手銀行の株式含み損は4兆8000億円に拡大し、一部では国際業務行の基準である自己資本比率8%を割り込んだとみられる。株安で体力が疲弊する中、不良債権処理の加速を押し付けられ、メガバンクの破綻(はたん)、国有化リスクも現実のものとなってきた。
大手行の株式含み損は9月末に約3兆5000億円で、大半の自己資本比率は健全性の目標とされる10%台を維持したとみられていた。ところが、7日の株価水準では大手行平均で3月末の10.4%から1%程度下落、一部で8%割れしていると試算されている。
メガバンクは平均株価が8500円以上なら9%台を維持できるが、7500円になると一部で8%割れし、国際業務行の基準から外れてしまうと、これまでみられてきたが、それが早くも現実となりつつある。
一方、その自己資本自体の健全性にも疑いの目が向けられている。今年3月末時点で、計約17兆円ある大手行の自己資本のうち6兆円は公的資金。全額返済した三菱東京フィナンシャル・グループを除き、公的資金が自己資本比率を2−3%かさ上げしている。そもそも公的資金は返済が前提で、純粋な自己資本とはいえないとの見方もある。
さらに、約8兆円が税効果会計による繰り延べ税金資産。前払いした税金が戻ってくることを見込んで自己資本に繰り入れているのだが、4期連続赤字が見込まれる場合には、全額が自己資本から差し引かれるという「とらぬタヌキの皮算用」の性格を持っている。
これらを除き、時価会計により株式含み損4兆8000億円の6割を差し引くと、自己資本は消えてなくなる。大手行は実質債務超過の状態にあるとの見方も根強いのだ。
竹中金融・経財相や金融庁プロジェクトチームの木村剛氏は、銀行への公的資金注入に積極姿勢を示しているが、「メガバンクを“改革”の象徴として破綻させるのではないか」(金融担当アナリスト)との不安も広がっている。
永田町では「銀行側が不良債権処理の加速や公的資金注入にあまり抵抗するようなら、スケープゴートとして大手行の一角を国有化する用意がある」(与党議員)との声も聞かれる。
メガバンクを「破綻するには大きすぎるとの考え方はとらない」とする竹中氏の発言で7日、みずほホールディングスとUFJホールディングスの株価は上場来安値を更新。ダイエーや大京など経営再建中企業の株も売り込まれた。
竹中発言は学者や評論家なら正論かもしれないが、金融システム安定化を任務とする大臣としてはきわめて異常で「昭和恐慌の引き金となった蔵相の失言を連想させる」(エコノミスト)との声も。「平成恐慌」は後世の歴史家に「平蔵恐慌」と呼ばれるのだろうか。