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戦後日本の成功神話がなぜ「失敗物語」に終わろうとしているのか−−。そんな研究成果を「動揺する日本の神話」として出版した韓国の若手学者らが、このほど日本で報告会を開いた。日本側の出席者からは、97年末の金融危機を3年で克服した韓国の経験に強い関心が寄せられた。
韓国でも、株式持ち合いによる財閥企業の無責任経営、政府の保護下で競争力を欠いた銀行が危機を招いた。しかし日本と違い、銀行の不良債権処理には公的資金が大胆に投入され、弱小金融機関の整理が進んだ。産業界も、不採算部門の切り捨てと人員整理で競争力を回復した。
報告した韓国中央大学校国際大学院の孫洌助教授は、日本型経済システムが90年代に機能しなくなった理由にメーンバンク制度を挙げた。
孫氏によると、メーンバンクは(1)有利な条件での融資(2)安定株主になる(3)経営が傾いた企業を支える、などの役割で日本の経済成長を支えた。だが、金融自由化で資本市場が育つと、優良企業は銀行離れを起こし、銀行は不動産、流通業界を相手に土地担保の安易な融資に走った。メーンバンク制を軸にした銀行と企業のもたれ合い関係はなかなか清算されず、不良債権の先送りにつながった、との分析だ。