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日銀が行う銀行保有株の買い取り策の概容が、5日明らかになった。日銀の財務の健全性を維持するため、格付けが低い「投機的等級」の銘柄は購入しない方針で、経営再建中のゼネコン(総合建設会社)、不動産、流通などを中心に、不良債権予備軍と言われる「要注意先債権(灰色債権)」以下に銀行が分類している企業の株は、原則として購入対象から除外。回収に問題のない「正常先債権」に分類された企業の株に限定する。大手行が保有する株式総額(時価)の9割近くが購入対象になる見通しだ。
日銀は11日にも財務省に認可を申請し、今月中にも買い取りを始める。
まず購入対象になるのは、日米の大手有力格付け会社が、投資適格等級である「BBB」格以上に格付けした銘柄。買い取るのは、個別銘柄の発行済み株式数の5%以内に抑え、個別企業の経営に関与しないことも明確にする。
買い取った株式の管理は、信託銀行に委託することで、株主名簿には信託銀行の名前が記載され、日銀の名前が出ないようにする。これは日銀が購入したことや規模が市場に伝わり憶測を呼ぶことを避けるため。
日銀は、買い取りに際しては銀行から時価で直接、購入し、保有期間は最長10年程度とするほか、売却しない期間を3年程度設定することも検討する。規模は、大手行を中心に、2年間で1兆〜3兆円程度を想定している。
銀行は04年9月末までに保有株式を中核的な自己資本の範囲内に減らすように法律で義務づけられている。大手12行は今期(03年3月期)中に計4兆9000億円の持ち合い株を売る計画だが、株価低迷で、今売ると損が出るため、持ち合い株の売却は遅れている。
中核的自己資本
銀行の自己資本は、中核的な資本(Tier1)と、補完的な資本(Tier2)に分かれる。中核的な資本は、資本金、資本準備金、剰余金など銀行にとってコストがかからない資金。株式や土地の評価益の一部や貸し倒れ引当金、優先株などは補完的な資本になる。