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[中国]テレビ製造業淘汰の時代、楽華も脱落か
中堅家電メーカー楽華(本社広州市)のカラーテレビ事業が、生きるか死ぬかの瀬戸 際に立たされている。10月31日付中華工商時報によると、生産ラインはほぼ停止し、売 上も大幅に減少。アフターサービスも機能していない状態という。同社経営陣は「問題 は一時的なもの。生産から撤退することはない」と強調している。
楽華はもともと広東省恵州に年産500万台の生産ラインを持っていた。しかし今年8月、 700万香港ドルで家電大手のTCLに譲り渡されている。広州の生産基地もほぼ操業を停止 、一部の生産を維持するにとどまっている。
販売面では売り場の撤収や縮小が相次いでいる。北京では量販最大手の国美電器が、既 に昨年11月から楽華の売り場を撤収していた。大中電器も今年から売り場を縮小。現在 、同市で売り場を設けているのはわずか3〜4社で、しかも業務はやっていない。家電市 場のバロメーターとされる南京でも、楽華の売り場ではテレビが電源を切られたまま、 ほこりをかぶっているという。
9月の国内売上高は100万元に満たず、広州の本社が回収できたのはわずか10万元強。一 時は年間売上高30億元を記録し、「カラーテレビ業界のダークホース」と呼ばれたころ の面影はまったくない。
加えて同社はアフターサービス部門を大幅にリストラ、ここ数カ月は賃金も満足に支払 えず、修理用の部品もそろわないため、アフターサービスが機能していない。広州市消 費者協会によると、楽華のユーザーからは「メンテナンスの担当者がいない」というク レームが省内外から寄せられている。
l 販売体制の改革裏目に
楽華のカラーテレビ事業が危機に陥った原因の一つとして、販売体制の改革に失敗した ことが挙げられる。同社は今年5月、 全国の支社や事務所をすべて切り離し、販売代理 店にした。さらに在庫問題を解決し、資金繰りを速める目的で代理店に対して、現金払 いを徹底させるとした。
しかし一気に代理店にしたことへの抵抗は大きく、販売網が崩れてしまう。現金払いも 受け入れられず、売上減だけでなく、労務や金銭上のトラブルも起きた。もともとミド ルエンドやローエンドの製品が多い上、中小都市を主な市場としていた中で、性急な改 革を進めたことが裏目に出た。
同社の人事や管理体制も問題視されている。1997年以降、同社ではほぼ1年に1人のペー スで総経理が変わるなど、経営方針が安定しなかった。また同社はカラーテレビ以外に エアコン、洗濯機、キッチンなど9の事業部門があるが、それぞれが力を持ち、財務も独 立しているため、本部でまとめることが難しいという。
楽華の封安生総経理は同紙の取材に対し、「現在、大きな改革を進めている。今抱えて いる問題は人員交代の中でやむなく起きたもので、あくまでも暫定的だ」と経営危機を 否定。そのほかの経営陣も「カラーテレビ生産から撤退することはない」と口をそろえ て強調しているという。
l テレビ業界で進む淘汰
中国の家電業界は近年競争が激化しているのに加え、世界貿易機関(WTO)加盟の影響 などで、今後企業の淘汰(とうた)が進むと予測されている。カラーテレビ業界でも競 争激化に加え市場が伸び悩んでいることもあり、多くのメーカーが業績を落としている 。また「PANDA」ブランドで知られた熊猫電子は通信機器メーカーへと転換。北京を代表 する家電メーカーだった北京牡丹視像電子もここ2年生産停止に追い込まれた結果、かつ ての下請けだった新鋭メーカーとの合弁による再生を選ぶなど、既に淘汰が始まってい る。
ただし、市場自体は今年に入り回復に向かっている。信息(情報)産業部によると、1 〜7月の生産台数は43%、売上台数は36%それぞれ増加。輸出は46.6%増となった。長虹 、康佳、TCLなど大手家電メーカー5社が売上高全体の58%を占めるなど、大手のシェア が拡大している。
クイックより