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今週号の「ニューズウイーク日本版」は、メイン特集が「激震世界経済 ジャパンクライシス 世界中が戦々恐々金融崩壊が招く日本発デフレの嵐」という今後予測される世界同時デフレ不況を“日本の責任”とするものである。
※ 「ニューズウイーク」の発行元であるワシントンポストは、最近、日本経済に関して次のような記事も出している。
『日本経済が急速に悪化する日は近い 2002年10月20日 ワシントンポスト』
( http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/1139.html )
これについては、
『日本政府に対する“恫喝”と“誘導”で経済論理はまるで無し』
( http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/1146.html )
というレスを書いている。
日本そのものに関する記事も機会があれば紹介したいが、日本の実情については情報も多いので、まず、米国経済の原状に関して日米を比較しながら論じた記事を紹介する。
P.26の『アメリカの「現実逃避病」』とタイトルされたスティーブン・ローチ氏(モルガン・スタンレー主任エコノミスト)の分析記事である。
小見出しには、『「日本とは違う」とアメリカ人は主張したがるが経済指標を謙虚に見れば日本のバブル崩壊前とそっくりだ』とある。
本文:
『アメリカ人はふつう、悪いことは他人の身に降りかかると考える。経済の分野で言うなら、「悪いこと」は日本にしか起きない。
〈中略〉
だが、それは大まちがいかもしれない。
〈中略〉
だが実際には、日米の共通点は多い。日経平均株価が3万8915円の最高値を記録したのは、89年12月29日。その後21ヶ月間で株価は38.5%下落したが、その間にも地価は91年9月に天井を打つまで約15%上昇した。
同様の現象が今、アメリカでも起きている。99年12月31日から今年9月30日までの間、スタンダード&プアーズ(S&P)500社株価指数は45%下落。日本のバブル崩壊後の下げ幅を上回る数字だ。一方、同じ期間に全米の住宅価格は約15%上昇した。
〈中略〉
バブルが実体経済に及ぼすゆがみも、日本の専売特許ではない。たとえばバブル期の日本では、企業の設備投資を示す指標である民間部門の1人当たり実質固定し本当氏がほぼ倍増した。アメリカでも、92年から2000年までの間に73%も伸びている。
しかも不動産バブルを謳歌した結果、アメリカの個人貯蓄率は、バブル以前の94年末の6.5%から、2000年末には1.9%にまで落ち込んだ。日本では逆に、80年代後半から消費性向が徐々に低下し、84年の78.5%から89年には75.5%に下がっている。
つまり、日本のバブルが主に企業の過剰な設備投資を招いたのに対し、アメリカのバブルは企業の設備投資と個人の消費行動に大きなゆがみをもたらしたといえる。
〈中略〉
アメリカの対外債務は、94年にはGDPの2%だったが、2000年には20%にまでふくらんでいる。
民間部門を中心とした国内債務も増えている。アメリカの企業や消費者の債務は第2次大戦後最高の水準だ。
〈中略〉
90年に日本の財政黒字はGDP比2%だったが、今や7%の赤字だ。アメリカも2000年には2%の財政赤字を出したが、それも景気後退とブッシュ政権による減税で消えた。今会計年度では約2%の財政赤字が予測される。
〈中略〉
FRB(米連邦準備理事会)は自己弁護に走り、政府も米経済は景気の二番底やデフレとは無縁だという姿勢を取り続けている。投資家も、悪い材料はすでに市場に織り込み済みだと信じている。
米政府は対テロ戦争にばかり目を向け、バブル崩壊後の経済をどう舵取りするかについては関心が薄いようだ。日本と同じ目にあわないよう、そろそろ心配しはじめてもいいと思うのだが。』