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31日の債券市場は、日銀が一段の金融緩和策に踏み切ったことなどを受けて国債が買われ、債券価格が上昇(金利は低下)した。長期金利の指標である10年物国債の利回りは、前日終値比0.045%低い0.985%で取引を終えた。長期金利が1%を割ったのは、金融システム不安が広がった98年11月以来。政府の不良債権処理の加速策に伴い、銀行も企業貸し出しの慎重姿勢を強めるとみられることから、当面、債券市場への資金流入が続きそうだ。
30日の日銀の政策委員会・金融政策決定会合では、長期国債の買い入れ額を現行の1兆円から、1兆2000億円に増額することを決めた。速水優総裁は同日の記者会見で、2人の審議委員が1兆4000億円への増額を主張したことを明らかにしており、市場では「今後も、国債買い入れ増額がありうる」との見方が広がった。
一方、政府が同日発表した総合デフレ対策も、即効性には乏しいとの失望感から、31日の株式市場は低迷。同対策で補正予算編成が先送りされ、当面の国債増発の懸念も薄まったため、債券市場に資金が流れたとみられる。市場では「長期金利の低下は、景気低迷が依然続きそうという見方を反映した動き。金融機関の債券購入需要は強く、0.7%程度まで低下する」(銀行系証券アナリスト)との見方も出ている。 【中村篤志】