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商工ローン大手の「日栄」(本社・京都市)と「商工ファンド」(本社・東京都中央区)の2社が、11月1日、同時に社名を変更する。脅迫的な取り立てなどで元社員らが逮捕され、高金利などが社会問題となった「商工ローン事件」から約3年。厳しい経営環境の中、創業以来の社名を変えて再出発を図るが、事件の被害者側は複雑な思いでこの社名変更を眺めている。
今年6月の株主総会で社名変更を決めたのは日栄。新しい社名は“長い繁栄”を意味する「LONG PROSPERITY」にちなんで「ロプロ」。同社は事件後、引き下げられた貸出金利の影響などで収益が悪化。01年には業界1位の座を商工ファンドに明け渡しした。210あった支店を101にまで統廃合するなど、経営の効率化を図っている。
社名変更する11月1日は「腎臓を売れ」など脅迫的な取り立てをした元社員が99年10月、警視庁に逮捕されてから3年の節目。千原紀男常務は「事件から3年経ち、気分もイメージも一新したいという思いもある」。
一方、商工ファンドは今月25日の株主総会で「商工ファンドカンパニーグループ」を意味する「SFCG」とすることを決めた。「企業買収などの事業展開が『商工ファンド』の枠に収まり切れなくなった。事件や日栄は意識していない」と小尾敏仁常務。
しかし、事件は同社の経営にも影響を与えている。4000億円以上あった融資残高は、約3000億円に。株価はピークの約10分の1である9000円台で推移している。
商工ローン問題に取り組んでいる「日栄商工ファンド対策全国弁護団」の和田聖仁弁護士は「最近の裁判では、事件後の一時期は沈静化した脅迫的な取り立てや、契約時の説明不足などがまた“復活”していることがうかがえる」と指摘。「看板を変えても、中身は事件当時と変わっていないのではないか」と話している。日栄に対して、払い過ぎた利息の返還訴訟を起こしている横浜市の50歳代の男性は「社名が変わっても、事業内容が一緒なら、被害者を増やすだけではないか」と話した。