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「銀行を国有化した後に、どの様なプログラムを用いて日本の“金融システム”を再生させていくのか。竹中経財・金融相は、どうやらその辺りのビジョンをまったく持ち合わせていなかったようだ。百歩譲って仮に持ち合わせていたとしても、具体的な形でそれを示そうとはしなかったことは間違いない。言うところの“竹中改革”の最大の問題点は、その部分にあったと言えるだろう」(大手都銀役員)
“竹中改革”が、主だった大手銀行を国有化することを究極の目標にしていたことはほぼ間違いない。そして、そのことは、“竹中3原則”を検証してみても容易に想像がつくと言ってもいいだろう。
ここで言う“竹中3原則”とは、(1)資産査定の厳格化(2)自己資本の充実化(3)ガバナンスの確立−というものにほかならない。
「竹中大臣はここ最近でこそ、この“竹中3原則”についてあまり言わなくなったが、大臣に就任した当初はそれこそ耳にタコができるくらいに繰り返しそのことに言及していた−」(金融庁幹部)
そして、この“竹中3原則”を推し進めていった場合に、間違いなくその先に見えてくるのは、“銀行国有化”なのである。
「竹中大臣は当初、韓国の金融システム改革の成功例をイメージしていたフシがある」(前述の金融庁幹部)
10月23日付の米誌、「ニューズウィーク(日本版)」が、『師弟関係が逆転する日』と題する記事を掲載した。このタイトルにある“師”とは日本のことを、そして“弟”とは韓国のことをそれぞれ指す。
そして、この記事の中に、以下に示すようなくだりが出てくるのだ。とりあえず引用してみることにする。
〈−前略−竹中は、韓国を模範の1つとして銀行改革を進めようとしていることを隠さない。昨年の本誌の取材に対しても、債務超過企業を整理した韓国のやり方について、「日本にはそれができるし、そうするべきだ」と答えている−後略−〉
1997年に通貨・経済危機に陥った韓国経済は、IMF(国際通貨基金)の管理下に移行する。
こうした状況を受けて金大中政権は、IMFの強力な指導の下、銀行の不良債権処理を進めるために実にGDPの3割にもあたる、1300億ドルもの公的資金を銀行に投入するのである。
「この結果、韓国の6大銀行(日本の大手都銀に相当)はすべて国有化されてしまったのです。しかし、その一方で、銀行業界で働く人員の40%をカットするなど、大幅なリストラが可能になったといえるでしょう」(金融庁幹部)
しかし、そうした“銀行国有化”というドラスティックな銀行処理策は、その後どの様な事態を引き起こしたのであろうか。
「6大銀行のうち、新韓銀行を除く5行が“外資”の手に落ちてしまったのです。この場合“外資”と言うよりも米系資本と言った方が適切でしょう」(金融庁幹部)
現在、韓国の銀行業界において規模の面で第2位を大きく離す形でナンバー1の地位にあるのは、国民銀行(昨年11月に住宅銀行と合併)である。
ちなみにこの国民銀行の大株主の地位にあるのは、米系資本の代表格とも言えるゴールドマンサックスだ。
竹中経財・金融相は、こうした一連の状況を承知した上で、邦銀の“国有化”を進めようとしていたのであろうか。