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EU:
ポーランドなど10カ国が新加盟へ 日本も進出に意欲
欧州連合(EU)の拡大が25日の首脳会議で決まり、ポーランド、ハンガリー、バルト3国など10カ国が04年にEUに加わることになった。新加盟国は成長のテコとして外国からの投資呼び込みに期待、日本企業も進出意欲を強めている。 【ロンドン・福本容子、木下豊】
トヨタ自動車が今月16日、ワルシャワの経済省庁舎で、ポーランドにディーゼルエンジン工場を建設すると発表。記者会見に同席したピエホタ経済相も「世界のトヨタが投資を決めてくれた。ポーランドの将来を信じている証拠だ」と満面に笑みを浮かべた。
新加盟10カ国の大半は中・東欧の旧共産圏。人口は計7500万人でオランダの4・7倍だが、国内総生産(GDP)はようやく同国1国分。10カ国平均の国民1人当たりGDPは現加盟25カ国平均の45%にすぎない。
市場経済移行に伴う国営企業の解体に世界的景気減速も加わり、失業率はポーランド18%、スロバキア19%と高い。雇用創造のための資本や経営ノウハウも乏しく、EU加盟を機に経済成長に弾みをつけたいと、外資誘致合戦が過熱している。
だが、新加盟国には「EU基準」が採用される。「ポーランドは汚職を許さない文化を築く必要がある」「チェコは雇用や教育での人種差別対策が不十分だ」。関税や経済規制だけでなく、政治、司法、人権など国家制度まで改善が求められている。
中・東欧への進出で欧米企業に出遅れた日本企業は、EU拡大を機に”未踏の市場”への関心を強めている。人件費が日本の約10分の1と安く、西欧市場を狙った生産拠点としての魅力も大きいという。
日本貿易振興会によると、98年末時点でポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア、リトアニア、ルーマニア計6カ国への進出企業数(製造業)は46社だったが、昨年末には86社と倍増。増加分の大半がハンガリーとチェコで、産業インフラが整い、管理職クラスの人材が確保しやすいことや、EU加盟交渉が進んでいたことなどが背景にある。業種は自動車、電気・電子部品が中心。
松下電器産業は96年にテレビ製造でチェコに進出。01年には松下通信工業とともに携帯電話、カーオーディオの製造拠点を追加した。「チェコは製造コストが安く優れた人材も確保できる。西欧に近く交通インフラも整い、魅力がある」(広報部)と話している。
◇01年以降新たなEU加盟国に現地会社を設立した主な日系メーカー◇
<チェコ>
トヨタ自動車(小型乗用車)
デンソー(カーエアコン)
三菱電機、光洋精工(自動車用電子部品)
古河電気工業(自動車用配線類)
小糸製作所(自動車用ランプ)
松下通信工業、松下電器産業(携帯電話、カーオーディオ)
豊田合成、豊田通商(エアバッグ)
<ハンガリー>
ミツバ(自動車部品)
スタンレー電気(自動車用ランプ)
<リトアニア>
矢崎総業(自動車用配線類)
(注)日本貿易振興会調べ、カッコ内は主な製品
[毎日新聞10月27日] ( 2002-10-27-11:32 )