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衆参7選挙区の統一補欠選挙が27日、投開票された。与党は、衆院福岡6区と衆院大阪10区で、自民党公認で、公明、保守両党が推薦する荒巻隆三氏(30)と松浪健太氏(31)の両新人がそれぞれ当選を決めたのに対し、野党では、衆院山形4区で民主党公認で自由党推薦の新人の斎藤淳氏(33)、衆院神奈川8区で政党の推薦を受けない無所属新人の江田憲司氏(46)がそれぞれ当選した。
補選が実施されたのは、このほか、衆院新潟5区、参院千葉、鳥取両選挙区で、与党統一候補の星野行男氏(70)、椎名一保氏(50)、田村耕太郎氏(39)が制し、与党の「5勝」となった。
今回の選挙戦は、小泉改造内閣発足後初の国政選挙となり、小泉首相の構造改革路線やデフレ対策などの経済政策、先の日朝首脳会談やその後の対北朝鮮政策などが争点となった。衆院山形4区など4選挙区が「政治とカネ」をめぐる議員辞職に伴うもので、政治倫理も争点の一つだった。
衆院福岡6区では、民主党公認で、比例代表からくら替え出馬した前議員の古賀一成氏(55)(自由推薦)に対し、荒巻氏が自民党の野中広務、古賀誠の両幹事長経験者や公明党の強力な支援を受け、伝えられた劣勢を跳ね返し、保守分裂選挙を制した。古賀氏はくら替え出馬を与党から批判され、一歩及ばず、民主党にとって手痛い1敗となった。
衆院大阪10区では、松浪氏が自民党支持層だけでなく、公明、保守支持票も手堅くまとめ、保守系の前市議、吉田康人氏(38)(無)との分裂選挙を制した。前高槻市長の江村利雄氏(78)(民主=自由推薦)は及ばなかった。
衆院山形4区は、自民党の加藤紘一・元幹事長の議員辞職に伴う補選で、加藤氏が次期衆院選での政界復帰を目指す考えを明らかにしている。このため、与党は、過去2度の衆院選で加藤氏と戦った寒河江孝允氏(57)(無所属)を自民・公明・保守の3党推薦で擁立したが、自民党支持票などをまとめきれなかった。当選した斎藤氏は、民主、自由両党の選挙協力が効を奏した。
衆院神奈川8区は前議員の横浜市長への転出に伴うもので、2000年衆院選に自民党公認で出馬した江田氏が今回は「脱政党」を掲げて無所属で出馬、無党派層を取り込み、自民、民主両党の公認候補らを破った。自民党は公募で選んだ新人を擁立したが、江田氏の出馬で保守分裂選挙となり、議席に届かなかった。
衆院山形4区のほか、新潟5区は田中真紀子・元外相、大阪10区は辻元清美・前社民党政審会長、参院千葉選挙区は井上裕・前参院議長がそれぞれ「政治とカネ」を巡る問題で議員辞職したことに伴う補選。衆院福岡6区、参院鳥取選挙区はそれぞれ議員の死亡に伴っている。
補選前は、7選挙区のうち5選挙区が自民党(離党した加藤紘一氏を含む)が獲得していた議席。与党は全選挙区で、自民党が公認する候補を公明・保守両党が推薦するか、無所属候補を3党が推薦する選挙協力を進め、「4勝」を目標としていた。与党は候補者調整の失敗などから、衆院神奈川8区、大阪10区、福岡6区、参院鳥取の4選挙区で、自民党公認・推薦候補とは別に保守系無所属候補が立つ分裂選挙となっていた。
一方、野党側は、民主党が先の代表選後、鳩山代表―中野幹事長の新執行部体制となって初の国政選挙で、自由・社民両党と選挙協力して臨んだ。野党3党も新潟5区と千葉、鳥取両選挙区で統一候補を擁立し、他の選挙区でも民主、自由両党が共闘態勢を組んだ。共産党は全選挙区に公認候補を擁立した。
各選挙区とも有権者の関心は低く、投票率は低調だった。
衆参両院の補選は2000年の公職選挙法改正により、年2回に統一されたが、衆参7選挙区で補選が実施されたのは過去最多。
(10月27日23:03)