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日銀は30日の政策委員会・金融政策決定会合で一段の量的緩和を実施する方向で検討している。不良債権処理の加速やデフレ対策に動き始めた政府を側面支援するのが狙いだが、ゼロ金利下では追加手段に限界があり、長期国債買い入れの増額など従来路線の延長にとどまる可能性が高い。「中身よりむしろ、日銀が動くことに意味がある」(市場筋)との指摘があるように、今回は政府との協調姿勢を見せる「アナウンス効果」が主眼の政策変更となりそうだ。
「金利はゼロだが、打つ手はいろいろある」(15日、テレビ局とのインタビュー)、「必要なことはする」(23日、官房長官らとの会談)。速水優総裁は最近、これまでになく金融緩和に積極的な発言を繰り返している。銀行保有株式の直接買い入れという日銀の奇策が不良債権の処理加速策につながった面があり、総裁も政府のデフレ克服策に協調せざるをえないとの意思を固めたと見られる。
とはいえ、総裁の張り切りぶりとは裏腹に「決定的に有効な金融政策があるわけではない」との声が日銀内部でも支配的。長期国債の買い入れ増額や、金融機関が日銀に預ける当座預金残高目標の引き上げなどが検討されるようだが、「それで、マネーサプライ(金融機関以外の民間部門が保有する通貨の残高)が増えるわけでないことは、みな分かっている」と、日銀幹部も実効性には懐疑的。効果の薄い政策でも、「姿勢」を見せなければならないというのが、今の日銀が置かれた立場のようだ。【白戸秀和】