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政府・与党は二十五日の政策懇談会で、月末にまとめる総合デフレ対策の最終調整に入った。与党側は竹中平蔵経済財政・金融担当相を中心とする政府側の検討では不十分と判断し、独自の与党案を提示。次期通常国会冒頭での補正予算案提出では歩み寄ったものの、双方の溝はなお深く、水面下で「落としどころ」を探るせめぎ合いが続きそうだ。(1面参照)
「与党に相談がなく、この数日間のプロセスはおかしい。こういうことはなくしてほしい」。自民党の青木幹雄参院幹事長は懇談会で、竹中氏主導による不良債権処理促進策の検討に強い不満を示した。与党側からは「税効果会計の問題はどうするのか」などの質問も出たが、竹中氏は「与党や国民の心配をよく受け止めて、調整していきたい」と語るのみで、具体策への言及を避けた。
「小泉首相が与党案をのまなかったら、どうするのか」。同日午前の公明党衆院議員団会議で、与党案の取り扱いを巡って、こんな声が上がった。冬柴鉄三幹事長は冗談口調ながら「(衆院)解散だ」と語気を強めた。二十四日深夜の与党三党幹事長・政調会長会談でも似た場面があった。
「竹中案を通さなければ『竹中辞任か衆院解散』の局面だ」。麻生太郎政調会長はこう言い切り、やや間を置いてから公明党の北側一雄政調会長が尋ねた。「竹中氏を辞任に追い込むのは本意ではないんでしょう?」。北側氏が確認しなければならないほど政府と与党の対立は先鋭化していた。
与党が独自案の検討に着手したのは二十二日。青木氏が参院代表質問で首相の経済運営を厳しく批判したのを機に、与党内では「竹中批判」が噴出し、青木氏は同日の会合で山崎拓幹事長に「あんた、こういう時こそ、官邸に行って首相に言わなきゃいかんわね」と調整役を促した。
「このままでは月末の総合デフレ対策の決定が危ぶまれる」。危機感を強めた山崎氏は「いくら提案しても、首相は聞く耳を持たない」と難色を示す麻生氏らに与党案の策定を働き掛け、二十五日昼の与党案決定ぎりぎりまで政府側との接点を探った。こうして急浮上した与党案には「政府に要求の一部をのませる形で、与党内に充満した不満のガス抜きを図る」との狙いもにじんでいる。
ただ、与党内では「大規模な財政出動に踏み切らなければ、不良債権処理に伴うデフレ圧力を吸収できず、景気が底割れする恐れがある」などの不満が根強い。与党側が政府が示す対策案をすんなり受け入れられるかどうかはなお不透明だ。
「様々ないい意見が出ましたよ。竹中氏の基本方針に沿って、今月中に取りまとめたい」。懇談会終了後、小泉純一郎首相は記者団にこう繰り返し、与党案の取り扱いには言及しなかった。