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米ロサンゼルスやカナダ・バンクーバーなど北米西海岸の主要港湾施設が、労使紛争で9月27日から封鎖され、日本発の貨物が荷揚げできない状態になっている。日米間の物流の7割程度が西海岸経由で、電機、自動車メーカーで輸出が滞ったり、部品が届かないために現地工場の操業停止などの影響が出始めた。クリスマス商戦を控えた時期だけに、長期化を懸念する声が広がっている。【木下豊、熊谷泰、岩崎誠】
◆自動車
トヨタ自動車は、カリフォルニア州の米GMとの合弁工場に変速機などが届かず、3日から乗用車や小型トラックの生産を止めた。部品を空輸するが、当面確保できるのは2日分の生産台数をまかなう程度で、「焼け石に水」(トヨタ広報部)という。各社は今年、相次ぐ新車投入で、現地工場の操業を拡大してきただけに頭が痛い。日産自動車のテネシー工場は5日の休日操業をやめ、週明けには減産を強いられそうだ。
◆電機業界
松下電器産業は、テレビやオーディオ製品などコンテナ120個分の荷揚げができなくなり、パナマ運河経由で東海岸に荷揚げ地変更を検討中。昨年度、日本やアジアの拠点からコンテナ2万2000個を輸出しており、「封鎖が長期化すれば業績に影響が出かねない」と漏らす。
ソニーはカリフォルニア州のパソコン工場で部品調達に支障が出始め、空輸を検討している。事前に製品在庫を増やしていたため、「現時点では製品不足など大きな被害は出ていない」と言うが長期化を懸念する。
◆商社
総合商社は、小麦や牛・豚肉など食品も輸入しており、長引けば、家庭にも影響が出かねない。当面は在庫で対応できるが、「一部は空輸も検討する」(三井物産)、「東海岸への振り替えも検討している」(三菱商事)という。
北米西海岸の港湾封鎖 海運会社などが作る太平洋海事協会と、港湾労働者が組織する国際港湾倉庫組合が合理化で対立し、封鎖が続いている。客船も接岸できず、小型ボートで客を乗り降りさせている状況。米政府が仲介しているが、現時点で封鎖がいつ終わるかは不透明だ。