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先行減税の規模は私が決める=塩川財務相[東京1日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 10 月 01 日 17:27:06:

塩川財務相は、先行減税の規模は私が決める、と語った。また、デフレ対策で為替を触ることは歓迎しない、と述べ、為替は市場に任せるべきだ、との考えを示した。
内閣改造の翌日、ロイター通信などとのインタビューで述べたもの。

<政府・日銀が一体となってデフレ対策を進めるというが、国債発行に頼らない財政出動の考えは>

──日本経済が落ち込んで10数年。その間、不良債権や不良資産の処理について、従来とは違う展開をするのに必要な仕組みが、日本は不足していた。高度成長期は、評価の仕組みや監査能力がなかった。不良債権を処理する機関がなかった。そこに(日本経済の)欠陥がある。小泉首相が構造改革を言っているのは、そういうものを合わせて構築していかなければならない、ということだ。不良資産の整理がなぜ進まないかというと、買い取りとかを全然、考慮していなかったためだ。デフレ対策にふさわしい仕組みを早急に考えないと、いくら補正予算で公的資金を注入しても、一時の麻薬にしかすぎない。仕組みをしっかりすることが、デフレ対策の基本だ。

<公的資金の具体的な注入方法についての考えは>

──いろいろな方法を考えたらいい。持論としては、(整理回収機構=RCCで不良債権を)買い取って、長い時間をかけて預金の掛け金で返していく。5─10年ではバランスしない。20─30年かけて解消するくらいのことをしないといけない。オフバランス化できないというが、一定の額を金融機関の負担にするということもある。
不良債権のランクに応じた引き当てをちゃんと積んでいるのか。それがRCCとして、不安ではないのか。実質簿価で買い取るというが、ふたを開けてみると、損が出ることにならないか(とRCCは心配している)。RCCと銀行の信頼関係が必要だ。だからこそ、不良債権を処理する機構を整えていかないといけない。

<銀行等保有株式取得機構とは別の機構を作るということか>

──取得機構に、その任務を与えてもいい。その代わり、政府は保証を与えるとしても、国民の税金で全部はできない。長い時間をかけて、関係した機関が公平、平等に負担するようにしないといけない。国民に直接、迷惑を掛けるわけにはいかない。

<銀行等保有株式取得機構など既存の仕組みがあるが、不十分ということか>

──役所的発想というか、責任を回避するような機構が作られている。これは実態に合わない。例えば、銀行等保有株式取得機構に8%の保証金を入れろとか、それを入れても(不良債権が)オフバランス化されないとか、格好は付いているが、機能しない。「時は金なり」というが、財産の処理には、時間や金をかけないといけない。不良資産の整理は、もっと時間をかけて処理していく仕組みを作らないといけない。

<国債管理政策について聞きたい。黒田財務官が、デフレ対策の理論的可能性として挙げていた国債の長期から短期へのシフトについて、どう考えるか>

──それもひとつの方法だ。いわゆる国債の期間に多様性を持たせるというのも、ひとつの考えだ。国民が国債を2%ぐらいしか持っていないというのは、珍しい国だ。これは(国民が国債に)なじんでいないということがあるので、国債は有利であるということを教えていかないといけない。少なくとも発行分の10%くらいを国民が持ってくれる状態ができたら、安定するだろう。

<為替政策について>

──ドルに依存しない円決済や元決済を、もっと増やしてはどうか。また、ユーロをある程度保有するとか、通貨をもっと多様化してはどうかと思う。

<黒田財務官が、デフレ対策の理論的可能性として円売り介入を挙げているが>

──デフレ対策で為替を触ることは、あまり歓迎しない。為替は自然の相場、市場に任せるべきだ。

<デフレ対策として、今後、日銀に追加的な金融緩和を求める考えは>

──折りを見て、必要あれば要望していくが、これは日銀自身が考えることなので、あまりわれわれから強制的な手段について申し上げることはない。

<先行減税の規模は、諮問会議や税調など、どこが決めるのか>

──私だ。はっきりと小泉首相も、財務省の指導力によって、できるだけ早く決めてくれと言っている。

<法人税率引き下げなどで、竹中担当相との意見の違いが出ているが>

──私は、法人税率の引き下げに、あまり賛成してない。もうけている会社は、どこから利益とっているかというと、海外からだ。国内で利益は出ていない。(減税しても)ますます海外で投資してしまう。その資金を減税しても、雇用に直接、影響してこない。雇用に影響させようとしたら、国内で設備投資や研究開発をしてもらわないといけない。研究開発は外国で行っても、日本の会社の負担としてみたらいい。それがいつか日本に返ってくるのだから。

<与党の一部から、土地税制の見直しが必要ではないか、との声があがっている>

──土地税制は、ある程度考慮したいと考えている。不動産取得税や登録免許税を引き下げるということなどをやりたい。土地の譲渡益をどうするかは、政府税調の中で相談しないといけない問題だ。

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