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「今回の内閣改造の狙いを一言で言えば、政策強化ということです」
組閣後、官邸中枢スタッフがこう説明した。
9月30日、小泉純一郎首相は政権発足後初めて内閣を改造した。
ここで改めて説明するまでもなく、今回の内閣改造で最大の焦点となったのは、金融担当相ポストだった。
果たして柳沢伯夫金融担当相は留任するのか、更迭されるのか。内閣改造のポイントは、この一点に集中していたと言っていいだろう。
その結果は、柳沢氏が更迭され、竹中平蔵経済財政担当相が金融担当相を兼務することになったのである。
「まさに驚天動地としか言いようがない」
金融庁幹部がこう言って絶句する。筆者としても全く同じ心境だ。というのも組閣前日(9月29日)の段階で、官邸サイドから“柳沢留任”という情報を得ていたからだ。
「小泉首相としてはギリギリの段階まで柳沢留任の線で調整を続けていました。ところが29日深夜になって、柳沢氏サイドから官邸サイドに『留任にこだわらず』というシグナルが送られてきたのです。従って、柳沢氏の処遇は“更迭”というより“辞任”といったほうが正しいだろう」(官邸中枢スタッフ)
そして小泉内閣は30日夜、初閣議を開き、2004年度中に不良債権処理を終結させる、との内容を盛り込んだ首相談話を決定した。
「小泉首相としては、早期に不良債権処理の最終決着を図りたい、という強い意志があり、そのためには公的資金の投入もいとわず、とのスタンスに立っていたのです。つまり首相には、今置かれた状況は金融危機である、という認識があるとみていいだろう。金融担当相の交代劇にはこうした認識に対する温度差があった、ということに他ならない」(同)
そして小泉首相としては、柳沢氏が自分と同じ“認識”に立つことをギリギリのタイミングまで求めていたのだ。
ところが、柳沢氏は一貫して「今は金融危機といえる状況にない」という立場に立っており、最後までこのスタンスを譲らなかったのである。
「もし柳沢氏が譲っていたならば、“留任”ということになっていただろう」(官邸首脳)
“柳沢更迭”が金融界に与える影響は極めて大きい、といえるだろう。
「メガバンクの中から“国有化”に追い込まれる銀行が出てくる可能性すらある、とみておくべきだろう。銀行業界としてはまさに戦々恐々といったところだ」(大手都銀役員)
金融庁幹部が言う。
「最も苦しい立場に追い込まれたのは金融庁。昨日まで敵対していた人物(竹中氏)が、トップとして乗り込んでくるのだから。まさにパニック寸前だ。柳沢−森(前金融庁長官)体制は、完全に終わりを告げることになるだろう」
竹中新金融担当相の誕生で、金融行政の方針がドラスティックに変わるのは違いない。