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更迭か留任で揺れ、内閣改造の焦点だった柳沢伯夫金融担当相(67)は結局、更迭され、公的資金投入派の竹中平蔵・経済財政担当相(51)が金融担当相を兼務することで決着した。不思議なのは旧大蔵省出身で金融通の柳沢氏がなぜ、ポストを棒に振ってまで「現状は金融危機ではない」「公的資金投入の必要はない」と言い続けたのか。不可解な言動の背景には何があるのか−。
柳沢氏の言動について与党のベテラン議員は次のように分析する。
「柳沢君の(公的資金投入は必要ないという)態度は、銀行側の意向を最大限配慮したとみられても仕方ないだろう。国民の血税である公的資金を入れれば、銀行経営陣の責任問題が出てくる。それがイヤだから、銀行界では『公的資金は必要ない』と主張し続ける。柳沢君の態度は、それと合致したものだった」
「金融危機ではないから、公的資金投入は必要ない−という主張が通じないのは、柳沢君も分かっていたはず。それなのに、小泉純一郎首相と真っ向からぶつかってまで『投入不要』と主張し続けた。なぜ柳沢君が銀行に大きな恩があるかのごとく振る舞い続けたのか、知る由もないが…」
内閣改造に向けた動きがヤマ場を迎えた9月26日、金融庁は取り繕うように、整理回収機構(RCC)が不良債権を実質簿価で買い取る方針を打ち出してきた。
これは、簿価から貸し倒れ引当金を差し引いた額で不良債権を買い取るというものだ。
銀行にとって、不良債権をこれまでより高く買ってもらえるため、ダメージが緩和される。
この実質簿価にも、銀行に対する特段の配慮がうかがえる。
「RCCが実質簿価で不良債権を高く買い、それが安くしか売れなかったりした場合、損失が発生する。その損失は公的資金で処理されることになり、銀行に公的資金を間接的に投入したのと同じことになる。直接投入する場合と違い、実質簿価は銀行の経営責任問題が浮上しにくいため、銀行側は歓迎するだろう」(外資系アナリスト)
柳沢氏が銀行側の意向に沿う形で問題を先送りしているうちに、銀行経営陣には「政府は、かつての『護送船団方式』で大手銀行を絶対につぶさない」との甘い考えが芽生えてしまった。
銀行経営陣のモラルハザード(倫理欠如)は、不良債権処理の遅れを招き、自身の体力低下どころか、ニッポン経済を長期低迷に陥れてきた。
金融担当相兼務の平蔵氏の仕事は、銀行経営陣の甘ったれた根性を叩き直すことから始まる。