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日本銀行は1日、9月の企業短期経済観測調査(9月短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業の製造業で、前回6月調査比4ポイント上昇のマイナス14となり、2期連続で改善した。
しかし、改善幅は、20ポイント上昇と過去最大を記録した前回より大きく縮小した。大企業の非製造業も3ポイント上昇のマイナス13と、2期連続の改善だったが、小幅上昇にとどまった。中小企業・非製造業は指数が悪化に転じ、景気回復が足踏みしている実情をうかがわせた。
国内の需要低迷や株価下落に加え、イラク情勢など国際政治の不安定感やアメリカ景気の悪化懸念が根強く、先行き不透明感が強まっているためと見られる。
業況判断DIは、景気が「良い」と答えた企業の割合(%)から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数だ。
大企業・製造業では、堅調な輸出を背景に、自動車が22ポイントの大幅上昇でプラス16になり、5期ぶりのプラスとなった。このほか、石油・石炭製品が29ポイント上昇のマイナス14、鉄鋼が29ポイント上昇のマイナス15、精密機械は19ポイント上昇のマイナス7など、大幅改善する業種も目立った。一方、前回調査で過去最大の上昇幅を記録した電気機械は、8ポイント低下のマイナス26と、悪化に転じた。
大企業・非製造業では、リースが11ポイント上昇となったほか、通信が9ポイント上昇などとなった。前回調査で14ポイント改善してプラス1だった小売りは、夏物商戦の不振や物価下落の影響で横ばいだった。
一方、中小企業は、製造業が4ポイント上昇のマイナス37だったが、非製造業は1ポイント悪化のマイナス38となり、2期ぶりに悪化した。このうち製造業は、15業種中、自動車や精密機械など9業種が改善したが、非製造業では、9業種中、運輸、建設の2業種の改善にとどまった。
今年度の設備投資計画は、大企業・製造業で前年度比9・2%減と、前回調査(同8・9%減)よりもさらに下方修正され、企業が業績回復に自信を持てない実情を示した。
一方、今年12月までの業況判断の予想では、大企業・製造業の改善幅が3ポイント、中小企業・製造業も1ポイントと、改善ペースは一段と鈍ると見込んでいる。
調査は3か月ごとに実施し、今回は8500社が対象。回答率は97・7%だった。
(10月1日11:32)