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柳沢更迭、竹中兼務−。小泉純一郎首相は30日、政権発足後初めての内閣改造に着手。小幅との観測を押しのけ、閣僚6人交代という中規模改造となった。最大の焦点とされた柳沢伯夫金融担当相は更迭され、竹中平蔵経済財政担当相が金融担当相も兼務する。派閥の推薦も受けない首相の独断専行人事が目立った形だが、日本経済は危機的状況に追い込まれており、デフレ克服のための不良債権処理が断行できるか否か、早急な成果が求められそうだ。
「構造改革を加速させるため改造する。閣外に出られる方も、ともに改革に取り組んできた仲間として、引き続き小泉内閣を力強く支援していただきたい」
同日午前11時半、首相は臨時閣議でこう言って閣僚全員の辞表を取りまとめた。午後1時から公明党の神崎武法代表と保守党の野田毅党首との与党党首会談を開催。その後、組閣作業に入り、午後2時から、留任した福田康夫官房長官が組閣名簿を発表した。
新任されたのは、田中真紀子前外相を巡る国会混乱を国対委員長として仕切った大島理森農水相と北朝鮮拉致議連会長の石破茂防衛庁長官、秘書スキャンダルで議員辞職した自民党の加藤紘一元幹事長の側近で、一昨年末の「加藤の乱」で野党提出の内閣不信任案に賛成しようとした加藤氏を「大将が出ていってはダメだ」と涙ながらに押しとどめた谷垣禎一国家公安委員長、鈴木善幸元首相の子息である鈴木俊一環境相、細田博之沖北・科技担当相、鴻池祥肇防災担当相の6人。
一方、退任したのは、武部勤前農水相と中谷元前防衛庁長官、村井仁前国家公安委員長、大木浩前環境相、尾身幸次前沖北・科技担当相、柳沢伯夫前金融担当相の6人。
BSE(狂牛病)問題の後手後手の対応が批判を受けた武部氏や、防衛庁リスト問題が発覚した中谷氏などの引責辞任といえるが、最も注目されるのは、不良債権処理を進めるため政府や与党内から高まっている「金融機関への公的資金再注入」の要求に、一貫して「現状は金融危機ではない」と反対していた柳沢氏の更迭。
これまで所管大臣である柳沢氏は「現状は金融危機ではない」と、再注入に反対姿勢を崩していなかった。
このため、「柳沢氏が代わらない限り、金融行政の混迷は続く」(自民党の麻生太郎政調会長)と更迭コールが過熱。
首相の盟友である自民党の山崎拓幹事長も29日午前の報道番組で「(首相の内閣改造にあたっての)基本方針にある『不良債権処理の促進』に合うかどうかが、柳沢氏の政治生命にとって大事なことだ」と語り、柳沢金融相の姿勢が進退を左右するとの見方を披露した。
首相が「独断専行人事」で柳沢氏を更迭し、「金融機関への公的資金再注入」を直訴した竹中経済財政担当相に兼務させたことで、今後、不良債権処理の加速が期待されるが、「誰が金融相になっても、肝心の要の首相がデフレ対策の重要性を理解して行動しない限り、日本経済の再建はありえない」(自民党幹部)との声も強い。
閣僚の認証式を経て、夜には小泉改造内閣がスタートするが、改造も一種のパフォーマンスとしかとらえていない首相では、まだまだ日本経済再建に暗雲が立ち込めたままになりそうだ。