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<東京三菱銀行・為替資金部チーフアナリスト 深谷幸司氏>
小泉首相による内閣改造で、焦点となっていた金融担当相のポストを、竹中経済財政担当相が兼務することとなったが、これは意外感のある組閣人事だ。これにより、公的資金注入のシナリオが読みやすくなったといえるが、ここにきて公的資金注入論議が再び高まるなか、ある程度既定路線化しつつあった。このため、意外感のある人事だったとはいえ、公的資金注入をも視野に入れたシナリオを改めて確認できたといった状況だ。
今後は、公的資金注入に向けた具体的な手段などを見極める必要がある。さらに、不良債権処理の加速とともに、デフレ脱却に向けて、踏み込んだ政策対応が打ち出されてくるかどうかが今後の焦点になってこよう。
今回人事の為替相場への影響については、日銀が投げたボールを受けとり改めて政策対応への期待をつなぐものとなったこともあり、ポジション動向をサポート要因にドル/円は120円水準まで調整含みの展開になる可能性もありそうだ。