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朝日生命保険が、生保の主力業務の一つである団体年金保険から撤退することが明らかになった。主要生保の撤退は初めて。株安と超低金利で運用成績が悪化しており、撤退によって経営の効率化を図るのが狙い。受託資金は、親密先のみずほ信託銀行や大和銀信託銀行に移管する方向で、他の生保に資金が流出するのを防ぎ、顧客基盤を守るという。
団体年金保険は、各企業が従業員向けに設定した企業年金の運用や資産管理を請け負うもので、個人保険や個人年金と並ぶ生保の主力業務。しかし、生保の経営破綻(はたん)が相次ぐ中、企業年金の委託契約を解約する動きが広がっている。
委託先の生保が破綻した場合、資産が減額される可能性があるためで、破綻しても全額保護される信託銀行や投資顧問会社に資金がシフト。平成8年3月末には57兆円あった生保の受託残高は現在、約3割も減少した。一方、生保側にとっても、株安や超低金利で運用成績が悪化。運用成績に応じた報酬が低迷するなど、うま味がなくなっていた。
29日付の日本経済新聞の報道などによると、朝日生命は現在、約4000社から受託しているが、今後、受託先企業を回り、みずほ信託と大和銀信託に資金を移管するよう要請していくという。朝日生命の場合、大手生保の中では相対的に経営体力が弱く、平成13年3月期末に約2兆円あった受託残高は、約5000億円にも減少している。
撤退は収益性の低い業務を切り捨て経営の効率化が狙い。ただ、生保の場合、個人保険や個人年金と、団体年金をセットで販売しているケースが多く、団体年金が他の生保に流れると、個人保険や個人年金の契約も乗り換えられるなど、顧客基盤を根こそぎ持っていかれる懸念があった。
このため、親密先に団体年金を移管することで、顧客基盤の死守に全力をあげることにしたようだ。
朝日生命では今後、個人保険の販売に注力。すべての保険商品を扱ってきた生保の横並び経営と決別し、生き残りを目指す。