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「結局のところ、柳沢伯夫金融担当相の処遇は首相のハラ一つ、ということだ。そして首相の気持ちにいささかのブレもない」
官邸中枢スタッフがこう断言してみせる。
きょう(30日)午前、小泉純一郎首相は臨時閣議を開き、全閣僚の辞表を取りまとめた上で内閣改造を実施した。今夕には皇居での認証式を行った上で、初閣議を開く予定だ。
今回の改造内閣では、経済三閣僚(塩川正十郎財務相、竹中平蔵経済財政担当相、柳沢金融担当相)の処遇が最大の焦点だったと言える。
「その中でも、不良債権処理を加速させるための公的資金投入に否定的な柳沢金融担当相の処遇こそが、最も重要なポイントとなっていたことは間違いない。この公的資金投入問題に関して言えば、柳沢金融担当相を留任させるとなると、閣内不一致となることが予想され、小泉首相は今後混乱の火種を抱えることになる。小泉首相は最終的にどのような決断を下すのか−まさに注目された」(自民党有力代議士)
その結果は、金融担当相は柳沢氏から竹中経済財政相に交代。当初、柳沢氏には金融担当相留任情報もあったが、小泉首相自身が、交代を最終判断した。
もっとも、柳沢氏も公的資金投入問題に関しては、最近は微妙な方針転換を図ってきていた。
たとえば先週末の9月27日、閣議後に開かれた定例記者会見。柳沢前金融担当相はこの会見で以下のような見解を表明していたのだ。 「公的資金の投入には、銀行への資金注入とRCC(整理回収機構)の二次損失の穴埋めがある。(資金注入については)必要もないし、やると弊害がある。(RCCへの穴埋めについては)必要に応じて行えばいい」
柳沢氏−金融庁ラインは、これまで一貫して、現行の枠組みを越えた形での公的資金投入には否定的な見解をとってきていただけに、この発言は注目に値するだろう。
「もっともその日の柳沢発言は、RCCによる債権の簿価買い取りの可能性にまでは踏み込んではいない。しかし、柳沢金融担当相の気持ちとしては、そのことも含んでいるだろう」(柳沢金融担当相に近い関係者)
RCCによる債権−不良債権も含む−の“簿価買い取り”は、今後不良債権処理問題の最大の焦点として急浮上してくる可能性は大だ。
「そもそもこの構想の発案者は、堀内光雄自民党総務会長なのです。堀内総務会長が山崎拓自民党幹事長に進言したことで、この構想が自民党の追加デフレ対策案に盛り込まれることになったのです」(自民党首脳)
柳沢金融担当相は自民党内では堀内派に所属する国会議員だ。前述した“柳沢発言”は自民党に対するある種のシグナルだった可能性が高い。
「柳沢留任となれば、公的資金投入問題に関して方針転換を公の場で表明したという意味で、あの発言の果たした役割は大きいと言えるだろう」(自民党首脳)
それでも竹中金融担当大臣の誕生したということは、この努力も小泉首相に通じなかったということか。ただし、これで公的資金投入への障害が除去されたとは言えない。この改造による“しこり”が立ちはだかるのは間違いないからだ。