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塩川正十郎財務相のオニール米財務長官との会談内容をめぐり、二転三転する財務省側の説明。財務省の事務方が米ワシントン市内のホテルで、現地時間の28日未明(日本時間28日夜)、記者団に対し申し入れた塩川財務相発言の訂正文書からは、「公的資金」という言葉が削除された。しかし、塩川財務相は28日早朝の会見で、「わたしは公的資金についても話をした」と、訂正の事実を否定。混乱に拍車を掛けている。
塩川財務相は27日夜(日本時間28日午前)、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の内外記者会見で、「公的資金の問題について、わたしのかねてからの持論をオニール長官に説明した」としたうえで、「再生見込みのない企業は退出してもらうことを明確にし、処理を加速させることが大事だ。その場合に起こってくる1つの現象として、(銀行の)実質資本が不足してくるような場合、公的資金を注入すべきではないか」との考えを伝えたことを明らかにした。
しかし、会見から数時間たった27日深夜、財務省の中井徳太郎広報室長は同行記者団に対し、「大臣は勘違いしており、オニール長官との会談では、公的資金の話は出ていない」と訂正を申し出た。さらに、同省の溝口善兵衛国際局長が翌28日未明、記者団に対し「公的資金について言及した部分は事実と異なり、実際にはなかった話だ。その部分の会見内容を訂正したい」と、あらたあめて訂正を申し入れた。
財務省事務当局の訂正文書
問題の部分は、「不良債権問題への各国の関心が高いと思うが、公的資金の活用についてどのような説明をし、それに対し各国なりオニール米財務長官との2国間会談で、どのような反応があったのか」という記者の質問に対する財務相の答え。以下、削除された箇所と、新たに追加された箇所をみていく。
財務省が提出した訂正の文書はまず、「公的資金の問題については、私のかねてからの持論を説明しました」という当初の発言を削除。代わりに「不良債権の問題についてだが、私のかねてからの持論であり、」という一文が付け加えられた。
その後の「既に経済財政諮問会議でも私から正式に提案しているが、まず不良債権を出している企業に対して、各銀行が全部引当金を積んでいるが、企業の中で再生可能なものは積極的に再生させればいいじゃないか。銀行が支援して再生させればいいのではないか。再生の見込みのないもの、経済界の対応に遅れているようなものについては、退出、引退をしてもらうということを明確にして、処理を加速させることが大事なのではないかということ」までは、当初発言通り。その後の「です」が削除され、「をオニール長官に申し上げた」が新たに追加された。
続けて「その場合に起こる現象として、実質資本が不足してくる場合、公的資金を注入していくべきではないか。もう1つは、現在、金融機関が900いくつあったものが640-50あるわけですが、金融機関としては多過ぎるオーバーバンキングになっている。都市銀行、地方銀行、地域銀行といった金融のシステムをきちっと明確に協議し、指導していって、オーバーバンキングを解消する。その過程において、退出、改善するために必要な公的資金というものは、積極的に注入していく。こういうことを私は経済財政諮問会議に提案している訳です」までが、当初発言通り。
この後の「そのことをオニール長官にも説明しました」という部分が削除され、新たに「が、こういったことまではオニール長官に申し上げることはできなかった。しかし」という一文が付け加えられた。
さらに続く「なお、ちょっと付け加えますと、オニール長官がわたしに公的資金の問題を聞きましたから、金融はわたしの所管ではないけれども、わたしの持論として政府に言ってあるとこういう前提で申し上げた」という一文が、「金融はわたしの所管ではないけれど、わたしの持論として政府に言ってあることである」に差し替えられた。