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ソニーは、10月1日付で完全子会社化するとしていたAV(音響・映像)機器メーカーのアイワを、さらに12月1日付で吸収合併することを正式発表した。わずか2カ月でアイワを「飲み込んだ」背景には、ソニーの冷徹な経営戦略がうかがえる。
アイワを2段階で吸収する手法はソニーの既定路線だった。「法人税法では、出資比率が50−100%未満の会社を吸収合併する際、従業員の8割以上を引き継がなければならない。それを避けるには、まず100%子会社化する必要があった」(アナリスト)ため、ソニーはアイワの完全子会社化を今年2月下旬に発表していた。
実際には、アイワはマレーシアやインドネシアなど国内外の工場や販売拠点をすべて閉鎖。1万人いたグループ従業員を3月末で4700人に、さらに10月時点でわずか500人にまで減らすという大リストラを行った。
商品の企画・開発部門が残り、「AIWA」ブランドも存続するが、「ソニーで製造販売を中止したり、ソニーブランドを使えないような低価格製品にアイワの名が付くのでは」(同)との見方もある。つまり、中国や韓国のメーカーとの安売り販売競争の先兵役だ。
低価格のテレビやステレオコンポで人気を博したアイワだが、AV市況の低迷や中韓メーカーの台頭で経営が悪化した。
ソニーの助けがなければ法的整理に追い込まれかねない危機だったのも事実だが、「ブランドイメージを重視するソニーは、グループ会社の倒産という事態を避け、かつ負担を最小限に抑える手段を選択した」(民間信用調査機関)というのが実情のようだ。