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政府は26日、不良債権処理を加速させる対策として、金融機関への公的資金注入や整理回収機構(RCC)による不良債権の買い取りを迅速かつ容易に行えるようにするため、手続きを見直す方向で検討に入った。現行の預金保険法では、政府の金融危機対応会議で「危機」を認定するなど複雑な手順が必要で、すみやかな対応を取りにくいため。政府は現行法の解釈拡大のほか、現行法改正、新法制定も視野に入れている。
現行の預金保険法では、金融機関に公的資金を注入する場合、首相が主宰する金融危機対応会議で、金融不安の状態を「危機」や「危機のおそれ」と正式に認定する必要がある。政府内では、「対応会議を開いただけで、海外は日本の金融が危ないと判断してしまう」(首相周辺)との懸念が出ていた。
RCCによる不良債権買い取りに関しては、時価で買い取っているが、自民党の山崎幹事長らは金融機関の経営負担を軽くするため、簿価から引当金を差し引いた実質簿価で買い取る制度の創設を求めている。
このため、政府は公的資金注入や、不良債権を買い取るRCCを通じた間接的な公的資金注入を容易に行える新たな仕組みを検討することにしたものだ。
福田官房長官は同日夕の記者会見で「(公的資金注入やRCCによる実質簿価買い取りなど)そういうことを含めた全体像をどう描き、どう実行するかという手順を検討するよう金融庁に要請している」と述べた。
具体的には、〈1〉現行法の「危機のおそれ」を拡大解釈し、公的資金を予防的に注入できるようにする〈2〉現行法を改正し、金融危機対応会議を開催しなくても注入を可能にする〈3〉新法を制定し、予防的な公的資金注入を可能にする〈4〉RCCの実質簿価による買い取りを認める――などが浮上している。
小泉首相は20日のテレビ番組の収録で、「10月に不良債権処理を本格的に加速させる対策を作る」と明言している。26日には、首相官邸で記者団に「不良債権処理を加速させる。今の時点では(具体的な方法は)言わない方がいい」と語った。柳沢金融相らは「現状では、資本注入は不要」との立場を取っており、実際に公的資金の注入が行われるかどうか流動的な要素もある。