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金の現物まがい商法で約2000億円を集めた豊田商事事件で、被害の拡大は国の無策や対応の遅れが原因として、被害者らが国に損害賠償を求めた「豊田商事国家賠償訴訟」の上告審判決で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は26日、被害者側の上告を棄却した。請求を退け原告側が敗訴した1、2審判決が確定した。これで国家賠償の道は閉ざされた。
訴訟では消費者保護行政の在り方が問われたが、国に被害救済を求めることの難しさを浮き彫りにする結果となった。
第1小法廷は「2審判決は証拠に照らして是認でき、違法はなく、判例に抵触するものでもない」と指摘した。
被害者らは1988年4月に提訴。1審・大阪地裁は「規制権限や行政指導を行使しなかったことは著しく不合理とは言えず、被害の発生に違法行為はなかった」として訴えを棄却。2審・大阪高裁も「被害者が自助努力で被害を避けることは困難だったが、各省庁が迅速に豊田商法の実態を解明、規制しなかったことが著しい不合理とはいえない」として1審判決を支持した。(12:33)