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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは、今日のポイントとして、@公的資金注入モードへ、A通関統計は世界的な景気減速を確認、の2点を挙げる。
<株式買取スキームをロー・キーで始動させざるを得ない状況>
昨日は、「現在の政府・日銀のスタンスは、後ろ向きの危機回避策への集中として捉えることができ」、「株式市場の危機とそれに続く、後ろ向きの公的資金注 入の確率が上がっている」と指摘した。そして、「そうした見方を堅持したい」と語る。 政府・日銀は、「既に、今回の日銀の株式買取りスキームがほぼ失敗に終わる可能性を意識し始めている」とみている。アカウンタビリティの問題を中心に厳しい国際批判にさらされ、スキームをロー・キーで始動させざるを得ない状況にあると 言える。買取り規模は1兆円に満たないであろう。場合によっては、ゼロという 事態もあり得る。
<公的資金注入、2つのシナリオとは?>
日銀による株式買取りによって一息つこうとした政府にとっては、「まさに大きな 誤算」である。「世界的な株価の下落圧力が高まる中で、政府・日銀のモードは、後ろ向きの公的資金注入に傾いている」。シナリオは2つである。1つは、現行の法的な枠組みを変更し、危機宣言なしに予防的な資金注入を実施できるスキームを作ることである。日銀がこうした法的スキームの変更に前向きであると伝えられているが、現実には、法改正にはかなりの時間を要する可能性が高く、「法改正の下での予防的な資金注入が実施される可能性は来年3月までを展望しても5割程度」と見る。2つ目は、法的枠組みの変更に手間取っている間に株価が下落し、実質的に危機宣言をせざるを得なくなるとともに、そうした状況で資金注入を行う ことである。この確率がやはり5割あるものとみている。なお、いずれのケース にせよ、「今回の公的資金注入は、一斉注入、しかも、銀行の経営責任を強く問わないものとなる可能性が高い」と言う。
<公的資金注入の目的は、引当て強化と債権放棄が中心>
さて、公的資金注入の目的であるが、これは、引当て強化と債権放棄が中心であり、産業構造改革ではない、と引き続きみている。現下の厳しいデフレの下でも 借り手企業を淘汰する、とのシナリオは、政府、日銀ともに描いていないとみて いる。日銀の基本スタンスも、「引当て率の引き上げによる引当ての強化が中心となる」と見ている。
<8月の通関統計:オールドエコノミー分野での減速を確認>
8月の通関統計では、「世界経済が、個人関連のオールドエコノミー分野で減速していることを確認した」と言う。すなわち、米国向けでは、乗用車が前年比+9.6%から −6.2%に減速し、全体でも−5.2%とマイナス幅を4%ポイント程度拡大させた 。アジア向けは、高水準を維持したが(前年比+17.3%)、乗用車の伸びがやや 鈍ったほか、産業機械もピークアウトしてきた。他方で、半導体等電子部品は、 主力のアジア向けに回復感が強まった(20.0%から31.8%へ)。日本の輸入をみると、機械輸入が前年比7.7%から、1.9%へと減速したが、乗用車と船舶の減少 によるものである。なお、電子部品関連の輸入は前年比23.2%増と13.0%増から 伸びが高まった。