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【 世雄会 会報 号外 】重要指導 2002.9.22
智慧無き愚者 「小泉純一郎首相」 己の功名心ゆえに日本の将来に禍根を残し北朝鮮の人民二千万の苦しみをさらに増す
今回の小泉純一郎首相の訪朝というのは、まことに大失敗である。何よりも日本の将来に禍根を残し、北朝鮮の人民二千万の苦しみをさらに増すものである。
そもそも、今回の小泉首相は謀(たばか)りに引っかかったのである。ペテンにかかったのだ。
今度の事を仕掛けた裏には、中国の江沢民主席、ロシアのプーチン大統領がある。さらにその仲介役になった者は韓国の金大中大統領である。そして、小泉首相は乗せられた。「不明者の安否を知らせる、総理大臣が来なければ絶対に教えてやらない」と。
この北朝鮮 金正日の狙いは何か。
差し迫ったどうにもならない経済崩壊、国が亡ぶかもしれない。そして自分の体制が危うくなるかもしれない。この飢えた狼が、何としても自分の口を甘くしようとした。目の前の日本の金が欲しかった。そして、イラクはアメリカから攻撃されて壊滅するかもしれない。次ぎは自分の北朝鮮ではないか。その恐怖からアメリカの眼をごまかさなければならない。この二つの目的でもって、何としても日本を利用しようと、目先の金を何としても取ろうとしたのである。
しかるに、中国は金がない、ロシアも金がない、韓国は太陽政策を行っている、ならば日本から金を毟り取ろうということが、この三国の共通であって、金正日に知恵を授けた。金正日はそこで甘いシグナルをに日本に送ったのである。
外務省 田中均アジア大洋州局長
そして外務省が交渉していくうちに、外務省の殊に田中均アジア大洋州局長、この男が外務省の小役人として功名心に駆られ、自分の手でもって「日朝の国交正常化」この偉業を為し遂げようと功名心に駆られた。小泉首相は首相でもって、落ちつつある支持率を何とかして一挙に挽回しようと、こういうことで乗せられてしまったのである。
行方不明者の消息が分かったのが会談直前である。分かったなどとは言うも愚か。何と生きているのは4人だけ8人が死亡した。しかも普通の死に方ではないことは一目で分かる。20代30代40代の若さで、しかも2人は同じ日に一緒に住んでいた者が2人同時に死んでいる。これは家族の方が言うように「虐殺されたか処刑されたに違いない」と。まったくその通りである。
それを対談の直前、署名の直前に知らされながら、本来ならば、小泉首相は一言の強い抗議をはっきり言って席を立って帰って来なければいけない。午前中に8人死亡ということを知って、午後の会談の前に部屋に集まって、安部副官房長官、これはなかなかしっかりした男であるが、「謝罪がなければ席を立って帰りましょう」と首相に進言した。小泉首相は黙っていたという。
ところが、その後の午後の対談で、金正日は直ちに謝罪をした。これは盗聴されていたのであろう。向こうの部屋に入っているのであるから、盗聴器が沢山仕掛けられていたのであろうその部屋でもって安部副官房長官の強硬な意見が出たことを知って、ならば謝ってしまおうと。
金正日というあのような男が、何で拉致を認めて謝るであろうか。これは、口からでまかせである。この男、口で言ったことをひっくり返すことは日常茶飯事である。今まで、彼の約束というのは、破るために約束をしてきたというような男である。それが「拉致は国家機関がやったのだ、自分は全く知らない、いつの間にかこういうことが行われた、処罰をした、そして詫びた」というのである。
これは、目先の金欲しさになりふり構わずに言ったことである。だったら、それをはっきりとあの共同宣言に文言に入れなければいけない。拉致をしたのは北朝鮮である。そのお詫びの文言と補償ということをはっきりと入れなければいけない。ところが外務省が作り出たきた共同宣言書を見て見れば、骨子は二つ。
「日本は北朝鮮の植民地支配に対して、痛切なる反省と心からのお詫びをする」
と、こっちが謝ってしまっている。「植民地支配」などと小泉首相は歴史を知らない。その当時の歴史を知らないから、本来なら謝るべきものではない。これは「ならず者」が日本に対して言いがかりをつけているだけのものである。それを、「痛切なる反省と心からお詫びする」ということを文言にしてしまった。
その次ぎの条目において、
「国交正常化したならば、直ちに経済支援を行う」
既にこれは1兆5千億円というのである。日本国民の1人1人が1万5千円づつ北朝鮮に出す。何で「ならず者国家」で拉致をするような国に日本国民は血税を1人1万5千円づつ出さなければならないのか。
このようなことを遂に署名してしまった。
今、小泉首相は、国民の反対のあまりの強さに驚いて、「拉致問題は、これから国交正常化の過程でもって....云々」などということを言っているが、ひとたび文書にしたことは覆らないのである。「拉致」のことは一つも入っていない、「経済援助」は入っている。だから、この共同宣言の署名をした時に拍手をしたのは北朝鮮なのだ。こちらはしてやられたと思ったに違いない。
そして、直ちに平壌放送で「日本の総理大臣が北朝鮮まで来て、心からお詫びをした。そして、経済支援をする」と放送した。そのことだけで、「拉致」のことは一つも言っていない。
であるから、今後、小泉首相が何を言っても「文言にないではないか。そんな約束をした憶えはない。それよりも日本が経済支援をすると言いながら約束を破る以上はノドンを飛ばすぞ、テポドンを飛ばすぞ」とこういうことを言われてもしょうがないではないか。
今度の日朝国交正常化共同宣言書は日本の将来に禍根を残す。向こうは経済支援を約束した以上は、日本のことを“現金引き出し機”のように思っているに違いない。それが、現金が引き出せないとなったら、金正日がどれほど怒るであろうか。
この凶悪犯人を、政権を、崩壊させなければいけない。これが日本のためと、それともう一つ、北朝鮮の2千万人といわれる人民のためである。国中が収容所みたいなもので、監視をして、問題があれば直ちに捕まり拷問を受ける。そして何と、人口の10人に1人つまり、200万人がこの直近4年間で餓死しているのである。人民を200万人餓死させても血も涙も無く平然としているような男と、どうして国交正常化の交渉ができるであろうか。
ここに、小泉首相に「破邪」という邪を憎むその気持ちがないゆえ、智者一人が悪を退治することによって2千万の北朝鮮の人民を助け、そして日本の将来に福運をもたらすという智慧が無いのである。ここに彼は単なる功名心、小泉ワイドショー内閣の支持率を増加させるためだけであり、また国民も愚かで、明くる日の世論調査で支持率60数%、75%という結果になった。
政治家の功名心、役人の功名心に、この日本国の取るべき態度を誤らされてしまった。そして北朝鮮の人民が深く苦しむ。このようなことをやることは、まさにこれは「愚者」なのである。
そして、もう一つ言うならば、「拉致」というが、拉致を招いたのは日本の油断でる。そうであろう。北朝鮮のスパイは日本に入ることはピクニックに行くみたいなことだと、こんなたやすい国はないと。金正日の息子の金正男という者が、去年の5月だったが、日本に入ってきた。彼は既に何回も何回も日本に来て赤坂のクラブで遊ぶことを最も喜んでいた。これほどたやすく入れる国、既に工作員が4、5千人も入っているというのである。
このようなことを許したというのは、日本が戦後、国防ということを無視し続けて「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して生存しようと日本国民は顕示した」などという愚かな平和憲法を国是としてきて、「国防なんかしなくてもいい、どこも攻めてくるものはいない」などということを、ふやけきった政治家とマスコミと、そしてその煽動に乗った国民の罪である。マスコミが「自衛隊などは憲法違反で、税金泥棒だ」などというマスコミ、政党すらもあった。ゆえに、このようなふやけた国になって、凶悪の国から見れば侵すことなど、本当に簡単なことであったということだ。
煎じ詰めて言うならば、これも常々我々が言っているが、「日本が亡国の坂道を転がり落ちつつあるその一つの顕われなのだ」ということなのである。