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30日にも行われる内閣改造で、柳沢伯夫金融担当相の去就が最大の焦点となってきたことで、不良債権処理の加速に向けた公的資金再投入問題が改めてクローズアップされてきた。ただ、公的資金の再投入は、これまでの金融行政の大転換になり、バブル期以降の銀行経営や金融行政の判断ミスを国民の税金で償うことを意味するだけに反対論も根強い。再投入に踏み切れば、銀行トップや政府の責任問題に発展するのは必至で、小泉純一郎首相は厳しい決断を迫られそうだ。
公的資金の投入方法として、政府・与党などで浮上しているのは(1)現行法の枠内で金融危機時に投入できる公的資金枠(15兆円)を拡大(2)銀行の資本不足に予防的に公的資金を投入できるよう新法制定(3)公的資金を活用した整理回収機構(RCC)による不良債権の高値買い取りーーの3案。
危機対応の公的資金枠拡大については「実際の投入には、政府が現状を金融危機と認定する必要があり、さらに枠を拡大しても“見せガネ”の意味しかない」(財務省筋)ため、新法制定かRCC経由の公的資金投入に選択肢は絞られる。
新法制定による公的資金投入についても、すでに銀行は今年春までの特別検査で資産査定を厳格化して貸し倒れ引当金も十分に積んでいることから「いくら予防的といっても、公的資金投入の大義名分はみつからない」(金融庁)。さらに、「税金で経営の失敗を穴埋めする以上、経営トップの責任は免れない」との世論が高まるのは確実で、銀行界が強く反発するのは確実だ。
RCCの不良債権高値買い取りも、将来的に不良債権の処分で損失が出れば公的資金でカバーすることになり、「間接的な銀行への補助金で、銀行経営者のモラル・ハザード(倫理感の欠如)を助長しかねない」との批判が強い。かりに損失の一部を銀行側が被る仕組みを作っても、銀行の経営責任を問う声は消えそうにない。
さらに、一貫して公的資金投入を否定してきた政府が政策転換に踏み切ることは、これまでの金融行政が「失政」だったことを事実上、認める形になるだけに、野党だけでなく与党内からも責任を追及する声が出る可能性もある。