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いささか旧聞に属する話で恐縮だが、18日に開かれた日本証券業協会の定例会見の席上で飛び出した同協会会長による“迷発言”が業界で大きな波紋を呼んでいる。
その発言を紹介してみることにする。発言の主は日本証券業協会の奥本英一郎会長。
奥本会長は「今日(18日)、日銀が銀行保有株を買い取る方針を示したが…」という質問を受け、こう答えたという。
「日銀が株式を吸い上げることになれば、市場への影響はプラスになると素人ながら考える」
問題となったのは、改めて指摘するまでもないが、「素人ながら」というくだりだ。
「その発言を聞いたときは、思わず『座ブトン1枚!」と声をかけたくなった。あくまでも皮肉ですが…。自分でも“素人”と認めるような人物が証券業協会の会長に就いていること自体、大きな間違いだ。業界団体のトップがこんな発言をしているから、“外資”にいいようにやられてしまう。奥本会長はこの発言に対し、釈明すべき」(中堅証券会社社長)
もっとも、奥本会長の経歴を見る限り、決して“素人”とはいえない。奥本会長は大和証券の出身で、同証券の副社長を務めた後、大和総研社長に転出し、2000年7月に同社会長から日本証券業協会会長に就任。
大手証券役員は「奥本会長は、謙遜の意味でそうした発言をしたのだろう。しかし、今のマーケット環境は、“謙遜”を許される状況にない。内輪の会合なら失笑を買うにしても、問題にはならなかった。公の場でそうした発言はすべきではない。まさに時と場所を間違った」と解説。
昨24日の東京株式市場は、米国株式市場の大幅下落の影響を受け、まさに“クラッシュ”寸前となった。“売り”の主役は、外資勢だ。
寄り付き前の外国証券の売買注文状況は、売り2500万株に対し買い1500万株と、差し引き1000万株の売り越しとなった。
「特に、ハイテク関連株の下落の影響が大きかった。米ナスダック総合指数が1200ポイントラインを割り込み、6年ぶりの安値をつけたことが直接の原因だが、ハイテク関連株は値がさ株が多いだけに、ハイテク関連株の下落が相場全体に与える影響は極めて大きい」(大手証券会社幹部)
こうした一連の状況から考え、日米両マーケットの連動性は今後ますます高まっていくと考えていいだろう。
そして、まさに“危険水域”に突入したと思われるのが、24日(日本時間25日)の米株式市場の動向だ。
24日の米国株式市場では、優良株で構成するダウ工業株30種平均は大幅続落し、前日終値比で189.02ドル安の7683.13ドルで引けたのである。この株価水準は1998年10月1日以来約4年ぶり。
日本の株式市場は、こうした米国サイドの動きを受けてスタートするだけに、要警戒であることは間違いない。
「こうした緊迫した状況下であることを考えると、“素人”が業界団体トップについていていいわけがない。これまで業界団体の人事に興味がなかった氏家純一野村証券社長も、ようやくそのことに気がつき始めたようだ」(野村証券役員)