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【コペンハーゲン=刀祢館久雄】
欧州連合(EU)の欧州委員会は24日、加盟国の財政赤字を2004年までに均衡させる目標を事実上2006年まで2年先送りする方針を決めた。欧州経済の予想以上の低迷で、独仏など主要国の赤字削減が困難になり、財政健全化より目先の景気対策を優先せざるを得ないと判断した。
コペンハーゲンで記者会見したプロディ欧州委員長は「経済の回復が数カ月前の予想ほど力強くないことに各国の財政計画は影響を受けざるを得ない」と述べ、財政規律の一時的な緩和を容認する姿勢を示した。
欧州委は世界各国の株式相場の下落や対イラク戦争の可能性、米経済の先行き不透明感などにより、欧州経済を取り巻く状況が悪化したと指摘している。
EUは財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%以内にすることを加盟国に義務づけているが、ポルトガルは既にこの上限を突破。さらに欧州委は上限を超える恐れが高まっている国として同日、ドイツ、フランス、イタリアの3カ国を名指しした。(10:29)